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あえばさんのブログです。(※ブログタイトルはよろぱさんからいただきました)
レビュー・感想・紹介
『すばらしい新世界』はいわゆる「反ユートピア」小説として書かれており、「人間が自らの尊厳を見失う恐るべき逆ユートピア」などとして紹介されている。
しかし、この世界のなにがそんなに「おそろしい」のか。
むろん「完全な世界」とは言いがたい。それこそ現代社会と同程度に問題は抱えている。
だが、それだけのことにすぎない。
そもそも「人間の尊厳」とはなんのことか?


まず、人間が自然生殖を捨て、まるで工業製品のように「生産」されていること。
この状況は「人間の尊厳」とやらを損なっているのか?
生殖手段を外部委託する体制はそれを失ったときのリスクが問題になる?
そもそも人類は社会化なしには出産すらままならない生物だ。
すなわち「産婆」という職業がなければ出産という生物としてふつうの営みですら母体は命の危険にさらされる。
母体を危険にさらす赤子の巨大な頭蓋には高度な知性が約束され、社会化を促す。
単独では出産すらままならない原因と結果が綺麗にループしている。
人類はそういう戦略を選んだ生物だ。

かつては乳母の存在すら否定された。
現在では代理母の存在が批判に晒されている。
いずれも「自然の摂理」に反するという非合理な理由で。
しかし哺乳瓶が一般化している現代の状況を鑑みれば、代理母もいずれ当たり前に受け入れられるだろう。
そしていつしか人工子宮の普及により母体をわざわざ危険にさらす「出産」という行為自体が忌むべきものと見なされるはずだ。

「新世界」では自然生殖は忌むべき行為と見なされ、家庭も否定されている。
これらは生殖技術の発展に伴う価値観の変化にすぎない。
これまでも子育てや家庭の有り様は時代と共に変化を遂げてきた。
この状況に「おぞましい」要素は一つもない。
現代と異なる価値観というだけでただ感情論として「おぞましい」とするなら、「新世界」の住人が野蛮人を「おぞましい」と見なすその反応と、なにが違うというのか?



もう一つ特徴的な設定として、条件反射教育や睡眠学習によって階級ごとに「なにかを嫌う」あるいは「なにかを好む」性格が人工的に機械的に刷り込まれシステムがある。
これも「人間の尊厳」を損なうものなのか?

だが、そんなものは自然淘汰によってとっくに施されている。
「本能」や「感情」というものがそれだ。
食欲も性欲も自然淘汰による。「誰かに認められたい」「世界の仕組みを合理的に理解したい」といった動機に基づく芸術や科学も自然淘汰由来だ。
そもそも条件付けにそこまでの信頼性があるのかという科学考証はさておき、仮にそれが可能であるとしてその倫理的な是非を問う場合、我々は自然淘汰をも否定せねばならない。
自然淘汰は「人間の尊厳」を損なうのか?
自然淘汰を否定したうえでの自由意思とはなんのことか?

要するに、これは人間の自由意思をどこまで信じているのか、という問題だ。
人為的に施されたものか、自然淘汰により適応し獲得したものか。
その差が「人間の尊厳」とやらに関わるのか?
「新世界」の階級化システムを「おぞましい」と感じ、現代社会の自由を誇っているのなら、それこそ「おめでたい」としかいいようがない。
他の階級を差別し自らの階級を誇る「新世界」の住人となにも変わりはしない。


「新世界」に問題があるとすれば、安定志向が強すぎ進歩が期待できない点だ。
科学や芸術、そして宗教も否定されているらしい。書物も否定され触感映画(フィーリ)が推奨される。
安定を志向しているわりには多様性を否定し同一規格品で社会を構成しているため外敵には酷く脆い印象を受ける。
逆にいえば「新世界」が批判されるべき点はこの程度だ。
現代社会と同程度に矛盾を抱えているに過ぎない。


あるいは、ハクスリーは「新世界」を単純に「おぞましい」ものとして意図してはいなかったのかも知れない。
紹介者の偏狭な価値観が「人間が自らの尊厳を見失う恐るべき逆ユートピア」としているだけで、ハクスリー自身はもっと複雑なテーマを意図していたのかも知れない。
「新世界」の批判者として登場する「野蛮人」の、それこそ現代人並みに偏狭な価値観は皮肉を意図したものなのかも知れない。
作中の自然保護区では「野蛮人」が昔の生活のまま暮らしていて、そのうちの一人が「文明国」に訪れて様々に批判するのだが、その内容は聞くに堪えない感情論ばかりだ。


いろいろ深読みはできるが、素直に読むかぎりこの小説はクソだ。


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裏サンデー連載投稿トーナメント

エントリーNo0154『掬水乃神』で僕も投稿しました。
Bブロックです。なので18日から公開されることになると思います。
内容は「神様が女子中学生にスク水を着せようとするお話」。
上の画像がイメージイラストになります。

※追記
以下はAブロックの作品なのですでに公開が終了しリンク切れになっています。

さて、全235作品、Aブロックは118作品。
とりあえずひととおり目を通したので気に入った作品、気になった作品についてまとめてみたいと思います。


GOD OF THE SOCCER
まずこちらの作品。
サッカー漫画。一話完結ではなくひたすら期待を煽る一話。
連載トーナメントという性質ならではの作品だと思う。
普通の漫画の新人賞は基本的に読みきりで、本トーナメントにおいても読み切り形式にするのがセオリーだと感じたが、こういう方向性もありだと気づかされた。

スポーツ漫画は大別してリアル系かトンデモ系かに分かれる(と思う)。
本作はこれでもかとトンデモ系をアピールし方向性を明確にしている。
その点で非常に優れた一話。
格闘漫画では「強い爺」は一つのテンプレだが、サッカーでそれをやるのは斬新すぎる。
「年齢なんてただの記号だ!」年齢を無視すれば勝てるとでもいいたげな謎の説得力である。

あとは僕自身の好みとして、監督とか指揮官とかそのへんが主人公の話も読みたいなあと思っていたので期待したい。
いや、あの監督が主人公になるのかはわからないけれどw


ただ、問題点はやはり絵。
迫力はあってよいのだが、雑で汚い。
この時点で読み飛ばしてしまう人も多いだろう……ということで、強くプッシュします。



二人は旅の途中
「こういうのもあるのか!」という絵本風の作品。
合理的な建築描写と唐突な謎展開が不思議に混ざり合ったなんともいえない面白さ。

旅の途中で「景色がいいから」という理由で家を建て始める導入からしてどうかしてはいるのだが、
建築描写そのものは設計図から入り、資材や工具を調達し、順々に組み立てていく丁寧な描写にはワクワク感がある。
そんなほのぼのしたなか突如襲いかかるモヒカン集団!
ついにはゾンビまで繰り出す始末。

滅多に見られないような作風なのでとりあえず読んでみましょう。



ノーフレンド・マスター
絵も綺麗で内容も正統派な勘違い系ラブコメ。
主人公が強面の不良っぽいのだけど実は……という設定そのものはまったく珍しくないし、勘違いでヒロインが惚れてしまう展開もまったく珍しくはないが、漫画としてよくできており、丁寧で読みやすく、キャラもしっかり立っており、それこそ普通に面白い。

……のだが、第一話で主人公がオタクをカミングアウトをして勘違いが是正されてしまった点だけは型を破っており、先行き不安である。
一回盛大に振ったあとでも「俺の女」発言で惚れ直していたりするので、そのへんはうまいことやってくれるのかもしれない。
まあ、一回戦ではそのへん気にせず「面白い」と思ったら普通に投票してよいでしょう。



救済のTRICKER
「お先に失礼~」などつかみはバッチリ。
画力も高く、漫画も描き慣れている印象。
変人の主人公と常識人ヒロインの漫才も面白い。
主人公も変人なんだけど、不死身という設定ゆえに数々のぶっ飛んだも自然と納得がいく。

といったコメディタッチの本編に対し、最後のいや~な不安を煽るヒキ……
という感じでよくできた作品です。



『除霊
ギャグ漫画。
感想としては「卑怯すぎるw」この一言に尽きる。
こんなんされたら笑うしかないだろ!
シンプルすぎるタイトルがさらにいっそう笑いを誘う。
連載の場合どうなるのかまったくわからないが、一回戦は通過してしまうのではなかろうか。



変態コンチェルト
これも卑怯だw
「SEXみたいでしたね」こういう強烈な決め台詞があると強い。
なんかもうそこだけで持っていかれた。

改めて冷静に内容を読み直してみると……話としてどう転んでいくのかなあ、という部分がやはり見えない。
毎回裸で練習するわけでもなかろうし、本番(意味深)の描写はいったいどうなるのだろうか。

インパクトは強烈なんだけど、「秘密の特訓を目撃した」というだけでは第一話としては構成が弱いかなあ。
音楽系の部活ものとしてどこまでガチでやるのかがわからないのが難点。
今のところはギャグ漫画という認識。


4コマーズ
面白いんだけどなんかくやしいw
という『除霊』と似たタイプの作品。



遺跡のブランケットガールズ
「内容なんかどうでもいいんだよ!」という有無を言わさぬ圧倒的画力。
もうそれだけで思わず投票してしまった。
「続きが読みたい」というより「続きが見たい」という作品。

さて内容は……
特に内容はないですね。
ただ、幻想的な背景がしっかり描き込まれているのでいろいろ想像が膨らむだけの情報量はある。
「とにかく続きを!」という感じで麻薬中毒者のように投票したいと思います。



夢みるタワーマン
雰囲気は好きなんだけど、第一話としては構成が弱く、もう少し情報量が欲しいなあと。
一話で話としてのオチるわけでもなく、かといってヒキも弱い。
途中の説明も気づいたら読み飛ばしてた。

雰囲気は好きです。



波打ち際のコロナ
画力も高く、漫画としての完成度も高いのだが、もう少しページ数! 情報量!(さっきからそればっか)
「この人の描く漫画は読んでみたい」とまでは思えるが、これだけでは評価に困る。
それこそ画力とか構成とかそういった表層的な部分の評価しかできない。
作家としての実力はアピールできているが作品の面白さはアピール不足という感。


junk
なんかSFっぽいから雰囲気は好きという作品。
もう少し画力があればなーというのと、情報量(ry

変に説明台詞がないのはいいのだけれど、どういうお話なのかよくわかんないです。
『遺跡のブランケットガールズ』みたいな圧倒的な画力があればそれを打ち消してあまりあるのだけど。



レプタリア
独特の雰囲気がある作品。
また繰り返しになるけれど、「続きが読みたい」というよりは「もう少し読みたい」。
最大32pなんだからもう少し描こうよ!

でも間違いなくセンスはある。



いじめ0運動
その点数表示がなんなのかくらい教えてください!
そこもったいぶってたら読者の興味を惹くよりはむしろ失せていくのでは。
なんとなーく「潜在いじめっこ指標」みたいなものかのかなあ、とぼんやり想像がつくぶん余計に。

『アクメツ』や『デスノート』みたいな、ある種の勧善懲悪願望を露骨に描くテーマ設定は漫画らしくてよい。



パニャップとにかく大冒険
この作品も雰囲気はいい。画力も高い。背景の描き込みは見事。
が、どういう話なのか全貌が見えないのが歯痒い。
化け物が具現化して人を襲うようになるのかなーと思ったが、そこまでいかないし。
せめてそこまでいってくれればヒキとして効果的だったとは思うのだけれど。
いやまだそういう話なのかどうかも確定していないのだけれども。
32pフルに使っているが、冗長な描写も多く、構成を見直してそこまで描いてもらえたらなーと思いました。
 
 

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『さくら荘のペットな彼女』 頭のおかしさを売りにするようなキャラ付けをあなたはどう思いますか? 


「変人キャラだからダメ」とか「常識的に考えておかしいからダメ」というのではなく、変人キャラとして洗練されていないように感じられ、僕としてはその点が問題であるように思う。
僕自身の単なる好みとかその程度の話に過ぎないものかもしれないが、と断りつつもその点について語っていく。
おにあい第一話を見てしまったせいで僕は心に深い傷を負ったのです。あまりにもつまらなすぎて。
上の記事はタイトルにもあるよう『さくら荘のペットな彼女』 がメインの記事だけど、この作品については開始10分くらいで(つまりヒロインが出てくる前に)心が折れて語るべきソースを持たないゆえノータッチで。

おにあいの妹でいえば、「兄が好きでたまらない」とか「それを誇りに思っている」とか、そういうキャラづけ自体は別にいいのです。
ただ、それに対して行動が伴っていない。
変人アピールを繰り返すに留まっている。
つまり、こいつは本当に兄と相思相愛の仲になろうという気があるのか。
だとするならば「変人である自分が兄にどう思われているか?」という点に無関心が過ぎる。
「ブラコンは個性です」などと語るが、そんなことで兄の心を動かせると本気で思っているのか。
「私は変人です。こういったおかしな思考に基づき行動しています」といちいち説明し、その説明以上に発展性がない。
主人公の突っ込みを前提とし、「頭のおかしなブラコン妹とそれに振り回される兄の図」という作品世界を形成する以上の効果がそこにあるようには思えない。
壁に向かって演説でもしてろよと思う。

お風呂が覗かれなかったので怒るなどは下の下ではないか。
怒って従わせるのではなくそれとなく誘惑するような手口の方がよほど理にかなっている。
とはいえ、このキャラの場合は兄の動機はともあれ「覗かれた」という結果があればそれで満足なんだろう、という程度の説得力はある。
逆にいえば、繰り返しになるが「兄が好きでたまらない」にも関わらず「兄の気持ちに無関心すぎる」。

僕自身の好みを語れば、たとえばお風呂を覗かれるものと思い込んで期待して待ち続けるも、いつまでも来ない。
「おかしいなー、タイミングを見計らっているのかなー?」
「もしかして私の勘違い……? よくよく考えてみればお兄ちゃんは初日から覗きなんて大胆なことをするような人でもなかったかな……いやいや、覗きくらい別に大胆でもなんでもないだろ常識的に考えて」
などとのぼせつつ葛藤。
「やばい倒れそう……あ、でも倒れれば結果として……?」とか考える。
そのまま倒れてもいいが、やはり思い直して普通にあがる。
ふらふらしながらそれとなく兄の思惑を確認しようとするが、勘違いっぽいことを察して「な、なんでもありません」と赤面しながら去っていく。
そういう奥ゆかしいブラコン妹の方が可愛いと思います(´・ω・`)
この方が変人性は強調されるし、主人公がヒロインの気持ちを察してあげられなくても鈍感などと罵られることもない。
むしろ共感の対象になるのではなかろうか。


変人キャラと一言にいっても多様だろうけど、たとえば僕としてはこちら側の常識が破壊されかねないような危機感がほしいのです。
「言ってることはおかしいんだけど思わず騙されそうな説得力がある」とか。
「頭おかしいと思われたくないために取り繕うけど頭おかしいから結局ぼろが出る」とか。
変人行動という結果からその思考を類推するほかない、といったキャラ。

他の作品でもままいえることだけれども、おにあいについていえばそういった描写がただの説明に留まっているがゆえにつまらないわけです。
第一話の尺のなかでヒロインの変人性を視聴者にきっちり説明するにはそうするほかない、といった事情はあるかもだけれど。


と、ここまで書いて気づいたが、単に傍若無人なのが問題なのかな、と。
むろん、傍若無人キャラも場合によってはありだろうとは思う。
ただ、おにあいの妹は「兄しか視界に入っていない」どころか「兄すら視界に入ってない」だろ……と。

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エロRPGにちょっと興味が湧いたので、いろいろ体験版をプレイしてみる試み。
以下、体験版で分かる範囲の感想になります。





淫魔の女王

UIがわかりにくい!
というのが第一印象。どうも数字ばかりで……。
チュートリアルで操作を覚えるのにまず一苦労。
アリスちゃんに3回くらいは敗北。
で、操作を覚えてしまえば逆に簡単すぎるような。
戦闘システムにはリアルタイム要素があり、タイミングを合わせることで追加行動ができる。
そのタイミングが毎回同じなので戦闘は同じような作業に。
敵ごとの弱点もよくわからずとりあえず胸を揉みまくるプレイ。
ただ、だからつまらないかというとそうではなく、雑魚を瞬殺したときなどは爽快。
負けるときも負けるときで追い詰められてる感が心地よい。
素早い操作が求められるのでテンポよく進められる。

戦闘はシンボルエンカウントで、ターンごとに通常のマップ操作に戻る。
マップ操作ではあるが戦闘態勢は継続、移動速度が少し落ち、メニュー画面が開けなくなる。
エリア内の敵を全滅させるか、エリア外に出ることで通常に戻る。
この戦闘システムで面白いと思ったのは、二方向同時に敵に絡まれたとき。
右から攻撃を受けると今度は左、左が終わると次は右、という感じで、複数から責められるシチュエーションを見事に表現していた。
(これがやりたかったがためのシステム設計なのかな?)
ボス戦ではターンごとに敵が逃げたりマップ上で矢を撃ってきたり多少のアクション性が盛り込まれていた。
ダッシュで接近すればほとんど意味はないが。

エロとしては……
残念ながら絵が……><
複数から囲まれたときの絶望感はよかったが、エロとしては特に感じるものはなかった。
実用にはシチュエーションだけを記憶に留めて脳内で映像を置き換える必要がある。





幻想世界マインディア ~ドキドキ誘惑マインドバトル~

敵強っ!
という印象がやはり強烈。とにかく敵が強い。
まあ、逆レイプものとしては正しいのだろう。
ボス戦は少々運ゲー感が。
よくいえばやり応えがある。
逃げようと思えば成功率はかなり高いので、アイテムを集めつつ装備を揃えてレベルを上げれば詰むことはない。と思う。

ゲームとしては「普通のRPGの敵が女性になったというだけ」という印象。
普通の女性がサキュバスに感化され淫乱化した設定らしい。ボスはその源であるサキュバスになる。
特に斬新なシステムはないが、随所にあらかさまな罠などが仕掛けられていたり、敗北イベントなどはよくできている。
ただ、「ホワワァァン ホワワァァン」という効果音+紫フラッシュの演出は正直くどすぎる。

エロとしては……
絵も綺麗なので、勃起に至りました。





Incubus Fantasy

まずUIが美しい。
体験版はまさに体験版という仕様で、ゲーム本編の流れはいまいちわからなかった。
採集と合成は定番ながらそれなりに楽しめそうかな?
戦闘は「ケツ出してるならスパンキングだろ……常識的に考えて……」という感じ。
弱点でない攻撃はほとんどダメージが通らないので、弱点を探す作業が求められる。
ただ、一度弱点を見つけてしまえばその攻撃を続けるだけでいいので戦術性とかは特に見受けられない。
本編ではもう少し複雑になるのだろうか?

このゲームの特筆すべき点としては「ユーザーの意見を取り入れてアップデート」という試み。
体験版でもいくつかのMODが組み込まれていた。
ただ、ツクールの仕様上「ユーザーが勝手にMOD制作してユーザーが勝手にMOD導入」には至っていない。
それが可能ならもっと面白いことになりそうだが。

エロとしては……
絵もそれなりに綺麗なんだけど、僕の琴線には触れなかった。
なんかこう、こぢんまりしてるというか。
のっぺりしてて、汁気やら肉感が足りないというか。
ただ、これは単に好みの問題かも知れない。





魔法少女テト

「魔法は使い放題、ただし使いすぎると発情する」という設定は斬新。
そして発情したらオナニーで解消、と。
発情状態は魔法の威力は上がるが攻撃力と防御力が極端に下がる。
もっとチート感が味わえるものかと思っていたが、ゲーム進行に伴い魔法店の品揃えが増える方式なのでそれほどでもない。

オナニーで濡れたパンツを高値で売れるのもまた素晴らしい。このチートっぷりはよい。
ただ、金に釣られてると「痛い目」にあうとのことで……?
なるほど、そのへんでゲームバランスを保つのかな?
と、思い試しに三回ほどパンツを売ると地下室に連れて行かれてしまった!
3000G獲得!
結局稼げるのかYO!
もう一度地下室へ向かうと売春できる模様(ただし体験版ではできない)。
な、なんてことだ……魔法使い放題ってばかりか金にも困らないのかこのゲームは……!
たぶん、エンディングなんかに関わってくるのではと推測。
体験版だけだとゲームバランスがどうなってしまうのかちょっとわからないですね。
全体として、「主人公が女の子で魔法システムがちょっと変わってるRPG」といった印象。

少し不満を漏らすと、エリア間移動は家から出るときどこへ行くかを選択肢で選ぶ仕組みだが、帰るときは家にしか戻れず、たとえば村からダンジョンへ直接は向かえないのが少々面倒。
また、死亡時はゲームオーバーではなく自宅に飛ばされるだけだが、HP1の状態での復活に気づかず再びダンジョンへ→瞬殺の流れを何度か。
ベッドで休めばただで全回復なのだが、復活の時点で全回復でもよいのでは。

エロとしては……
テトちゃんふとましいッスね。
ダメージを負うと服が破れるシステムなど面白いが、残念ながら僕には「面白い」止まり。
ボスもそこまで強くないので『魔法少女アイ』などで味わえた絶望感は期待できないか……?
ダークというよりコミカルな雰囲気の作品だしね。





びたみんクエスト

女性が主人公のタイプのエロRPG。
戦闘中に「お誘い開脚」をすると敵が発情して「繁殖行動」を仕掛けてくる……。
なんという頭の悪さだ! 感動した!
戦闘もサイドビューで、カットインなんかで表現するのかと思いきやドット絵のキャラグラのまま普通にセックスアニメーション。
試しにわんちゃんに犯されてみたがおもわず「すげえ」と漏らしてしまった。
個人的に異種姦にはあんまり興味はないのだが、このバカっぽさは非常に好感が持てる。
しかも妊娠して子供まで生めるという。即妊娠して即出産。しかも町中で。どうかしてる。どんどん子供を増やしたいですね。

主人公もビッチで非常にエロい。ビッチはエロい。
グラフィックのクオリティも高い。

「ううむ…こーいう殿方の遺伝子が欲しい…と、私の子宮がキュンキュン唸っておる…

マジでなに言ってんだこいつ。最高だ!
試しにそのへんの兵士を誘惑してみたがいちいちエロい。
そしてセックスすることでPPが溜まり、それをステータスに振り分けられる、と。
基本的には普通のRPGだけど「男性キャラほぼ全員を誘惑できてセックスできる」みたいな作り込みはオブリビオンみたいな箱庭ゲーを連想させる。
体験版には収録されていないが「エイズ感染を楽しむイベント」だと……狂ってやがる……。
ここまで頭が悪いともう清々しさしか感じない。
エロRPGという時点でギャグっぽさというか頭の悪さは否めないので、ここまで思い切って頭の悪さを突き抜けさせるのも手だと思いました。

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本書は「性」という大いなる謎を進化生物学的視点から論じる。

読めば、進化生物学において「性」というものが思いのほか謎に満ちたものであることがよくわかる。
まず存在理由からしてよくわかっていないのだ。
僕が今まで信じてたのは環境変化に適応するための多様性の獲得だったが、過酷な環境ほど有性生物が多いかといえばそうではない。
普通に考えるなら、無性の方が子孫を残しやすいのだから圧倒的に有利なのだ。
なにせ有性生殖は子孫を残すたびに遺伝子を50%捨てなければならないのだから。

「性の存在理由」に関する説は複数あり、僕が今まで信じていた「環境変化に適応するための多様性の獲得」の他には、「草の絡み合った土手」説というのもある。
これは「ある程度同一規格で経済が飽和したのなら新しい規格を売り込んで顧客拡大を目論むのが自然」とでもいうべき説だ。
が、これも決定力が乏しく、また観察結果からも否定される。
この説が真なら小さな子を多く持つ種が有利になりそうだが、そうはならない

そこで本書が支持するのは「赤の女王」説だ。
生物にとって最大の競争相手は「自然」ではなく「他の生物」である。
性では特に「寄生者」が問題になる。
たとえば、ウイルスは短期間に世代交代を繰り返し絶えず突然変異で新しい型を生み出し続けるので、人間をはじめとした動物は性によって大幅な遺伝子組み換えで対抗する。
この説もまだ未解決問題がいくらか残ってるようだが、非常に興味深い。


続いて、本書では「なぜ性は二つでなければならないのか?」といった問題にも言及する。
なぜ雌雄同体ではダメなのか。同種の50%としか交配できないなどというのは非効率的ではないか。
まずはオスとメスの違いとはなにかを論ずる必要がある。
なぜ二性に分かれたのか?
その理由は引き渡される配偶子から寄生者を排除するためだ。
すなわち、オスの精子は核遺伝子以外の一切をメスの卵子には提供しない。
この際、ミトコンドリアをはじめとした細胞小器官(オルガネラ)も締め出される。
だが、オルガネラからするとこれは困る。
オスに移り住んでしまったが最後、袋小路に入るのだ。

仮にネズミが雌雄同体だったら?
オルガネラにとってオス機能は邪魔でしかない。
ゆえにそれを縮小させるよう目論む。
するとメスと雌雄同体の二者に分かれ、メスの数が増える。
するとオス側が有利になる。よってオスが増える。
そうして、メスとオスにきれいに分かれてしまう。
カタツムリなど雌雄同体の生物も存在するが、多くの生物が二性に分かれているのはこのためだ。


以上のように、オスとメスとでは進化圧が大きく異なる。
ゆえにオスとメスでは形質が違ってくる。
同性愛カップルは互いの性の特徴が強化されるという話は面白い。
ゲイは乱交でその場かぎりの関係が多く、レズは一夫一妻的でフリーセックスは好まない。
そうした性に対する姿勢の違いに折り合いをつけなければならないのが異性愛だ。

性淘汰の議論において必ず持ち出されるものにクジャクなどの過剰装飾がある。
彼らは生存に不利なレベルでの重い装飾を身につけてメスの気を引く。
性淘汰と自然淘汰が対立しているケースだ。
これについて、僕は今まで「ランナウェイ説」支持していた。
ある日、メスが尾の長いオスを好む。
生まれてくる子は、メスの「尾の長いオスを好む性質」と、オスの「尾の長さ」が引き継がれる。
それを繰り返せば、メスはどんどん尾の長いオスを好み、オスは尾が長くなっていく。
ただ、この説の欠点はその「ある日」になにが起こったのか、きっかけを説明できない点だ。

他に対抗する説としては、「優良遺伝子説」や「ハンディキャップ説」がある。
前者は「装飾が優秀な遺伝子のディスプレイである」とする説。
後者は「こんな邪魔なものつけてるのに俺は今まで生存してきたんだぜ! すごいだろ!」説。
正直な話、僕はこの二つの説を馬鹿馬鹿しいと鼻で笑ってきたが、両者とも一定の実験・観察による証拠を集めているらしく、どれが絶対的に正しいとはいいがたいらしい。
種によってふさわしいモデルが違うとかなんとか。


他に興味深かったものとして、鳥類のメスの不倫の話(これは寝取られ厨歓喜では)。
オスの不倫はより多くの子供の父親になるためでわかりやすいが、メスの場合は?
説として有力なのが、「子供を育てる夫」は欲しいが、すでに「いい男」は他の女にとられている。
ゆえに「いい男」の子どもを生み、そのへんの男を夫にして育てさせればよい、という戦略だ。



さて、本書後半から議論はいよいよ人類に集中してくる。
著者は、肉体だけではなく心にも確実に男女差が存在すると主張する。
そして、それは社会的抑圧といった説明だけでは不十分だ。
これらの主張は、一方で「男女は平等であるべし」という強烈な社会的抑圧を無視しているからだ。
もちろん根拠はそれだけではなく、様々な実験的証拠を挙げているが、詳しくは本書を読んでいただきたい。

乱暴にまとめてしまえば、男性は異性の若さと容姿を、女性は異性の金と地位を気にする。
男はポルノ映画を好み、女は恋愛小説を好む。
男は視覚的イメージを、前戯も後日談もない一夜限りの関係を、被写体の女優を好む。
女にとってセックスはおまけであり、そこに至るまでの物語を、異性の言動に対する自らの反応を想像して楽しむ。
男性はセックスの数だけ子供を増やせる可能性がある。
一方、女性はそうとはかぎらない。生涯に生むことのできる子の数には限りがある。
この違いが男女の思考形態を隔てている。

ただ、もっともらしい理論ではあるが、我々もよく知るよう、理解に苦しむ事例も多く残されている。
すなわち、「なぜ女性はファッションを追求するのか?」という問題だ。
ファッションとは「地位(ステータス)の象徴」であると考えてよいだろう。
しかし、ステータスを気にするのは女性であって男性ではない。
なぜ女性が自らのステータスを誇示することに固執するのか?
謎ではあるが、仮説はある。

男性は、女性が実際以上に容姿にこだわると考えている。女性は、男性が実際以上にステータスにこだわると考えている。つまりそれぞれの性は、本能的に異性も自分と同じことを好むという信念のもとに行動しているに過ぎないのだ。

つまり、互いに互いを投影して好みを勘違いしているという説明だ。
この記述から僕はもう一つのことを連想にした。
「ただしイケメンに限る」――男性側の投影による勘違いだ
「ただし美女に限る」の方がよほど正しい。
女性が好むのは男性の金や地位、そして背の高さくらいで、実のところ顔はほとんど関係ない。
(もちろん、これはあくまで統計的なデータであり、個々人すべてに適用できるものではない)

皮肉めいていて思わず信じたくなる説だが、本書にもあるようこの説明も完全ではない。
女性は自らの若さにこだわるが、異性の若さにはあまりこだわらないといった反例もある。
また、「そのような勘違いはそもそも進化的に不利ではないか?」といった反論も思いつく。
後者については防衛機制の投影が誤作動した、くらいの解釈が妥当だろうか?
いわば中立進化説のように、多少不利ではあってもそこまで適応度に影響を及ぼさないといったところか。
男性は「女性はイケメンを好む」と勘違いしているが、たとえば化粧のように自らの容姿を改善する努力はあまりしない。
勘違いがコストの浪費に結びつかないのなら大して不利でもないだろう。
しかし、一方ファッションは?
女性はファッションのために多大な浪費をすることはよく知られていることだ。

視点を変えよう。
そもそもファッションは必ずしもステータスの象徴といえるだろうか?
しかし、常に最新の流行を追い求めるその動機にはやはりステータスの誇示が含まれるだろう。
僕の思いつく説としては、女性のファッションは対男性より対女性を意識しているようにも思う。
女性には「悪い噂を流す」という情報兵器がある。
コミュニティで地位を維持できないものはこの攻撃の犠牲になる可能性がある。
女性もまた女性コミュニティで一種の権力争いがあるのではないだろうか?

「異性の理想の体型」については男女ともに勘違いしていることが実験で確かめられているが、ファッションについての実験は記載されていない。
いずれにせよ、このへんはまだ議論の余地が残っている。




本書の実際の議論はもっと細かくて丁寧だが、おおざっぱな理解で要約するとこんなところだ。
僕の読んだマット・リドレーの著作は『徳の起源』に続き二作目だが、どちらもあらゆる思惑(むろん比喩)が複雑に錯綜してにっちもさっちもいかない、理想主義を粉々にするような現実のもどかしさを感じずにはいられない。



訳者あとがき。

著者は繰り返し、科学的に現象を説明することと、その現象を肯定することは別であると述べている。それはその通りで、「である」という文章が「そうであるべきだ」という文章とは異なることや、科学的説明が価値観と別物であるということは、私自身の著書でも常に強調していることである。著者は、性差や人種差に関する研究が嫌われるのは、説明と肯定を混同する誤りに起因するものであり、そのような混同から、研究そのものが否定されるのは非科学的であると述べている。また、自分は現象を説明しているだけであって、社会問題に処方箋を与えようとしているわけではないともいう。
(中略)
科学的事実というものには、それなりの重みがあるし、それが我々の持っている価値観と異なっている場合には、そのギャップを埋める方策を考えなければならない。そして、そうするための納得のいく方策が出せないのならば、むしろ科学的事実を明らかにしないほうがよい、という意見もあながち否定できるものではないと私は思う。


なにいってんだこいつ。
と思って訳者名を見たら女だった。
あ、あー……。






訳が少々ぎこちないことを除けば文句のない素晴らしい一冊です!!
例によって絶版みたいだけどね!!

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饗庭淵
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