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あえばさんのブログです。(※ブログタイトルはよろぱさんからいただきました)
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好きなラノベは『左巻き式ラストリゾート』、饗庭淵です。
実をいうと、というほどでもないですが、僕はラノベというものをあんまり読んだことがなかったのです。
でもまあ、食わず嫌いはよくないよね! 偏見はよくないよね! みたいな精神で、何作か手当たり次第に読んでみました。
今書いてる作品がラノベっぽいので、お勉強みたいなものですね。
設定が被ってそうな作品を3作品、それ以降はデタラメ。
では、まとめてレビューを載せてみましょう。



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まず言いたい。
量子力学ぜんぜん関係ねー!!

はい。
わたくし「SFにとって量子力学ネタは地雷」という自説を持っていまして。
んで、「エヴェレット解釈」や「シュレディンガーの猫」というキーワードが現れたらかなりやばい。
この小説はその説をさらに強めるものになりました。
ハッキリ言って、SFというよりは量子力学の用語を借りて「確率」「観測」だのをこねくり回した言葉遊びでしかない。

つまり、量子力学における「観測」についてかなりありがちでわかりやすい誤解をしている。
人間の認識とか解釈とか主観とか脳とか一切関係ないからね?
ミクロスケールでは観測という行為そのものが観測対象に影響を及ぼしてしまうので正確なデータをとることが原理的に不可能だという話であり、観測者は別に人間でなくてもいい。
量子力学とSFの相性の悪さはそこだ。
SFも文学である以上、基本的に主人公は人間であり、マクロスケールの話になる。
量子力学は人類とはおよそ縁のないミクロの話であり、物語には絡みようがない。
ミクロスケールでの不思議現象をマクロに輸入しても言葉遊びにしかならない。
マクロでも壁に衝突し続ければ、いずれはトンネル効果によりすり抜けられる。
しかし、確率が低すぎて宇宙の寿命が足りないのだ。
量子暗号とか通信とか、技術的・工学的なお話ならSFとして採用可能だとは思うけど。

あと、不老不死をSFで扱うならせめて老いの原因に関する仮説「エラー説」と「プログラム説」には触れてほしかった。
テロメアがどうとか言えばなんちゃってSF不老不死の完成というのもまた飽き飽きだが、この作品はそこにすら至らない。
作中で説明されている理屈はわからないでもない。
「死ななかった」から「死ななかった」というトートロジーめいたお話。
たしかレムで似たような話があった。
過去に遡り「自分の生まれてくる確率」を計算すると限りなく0というジョーク。
だが、「起こってしまったこと」が「起こる確率」は100%だ。
わかる、わかるってばよぉ……でも、具体的にはどういうことなんだってばよ?!
「エラー説」と「プログラム説」のどちらを採用するにせよそのへん絡んでくるはず。
それ以前に1500年生きたって設定になんの厚みも感じられない。
いままでいろんな歴史を見てきたというエピソードをもう少し入れてもいいと思った。


問題はそれだけじゃない。
テキストがひどい。
会話のテンポが悪すぎる。
「あ、ああ」「はい」「うん?」「はは」「そう」「ね?」「そうだな」「ごほん」
1ビットにも満たないような生返事が一行も占有するなんて!
リアルじゃ確かによくあることだが、小説ではノイズでしかない。
たとえばだ。
「え? ごめんもう一回言って」
リアルなら単に聞いてなかった、相手の発音が悪かったというだけかも知れない。
でも小説でいちいちこんなの再現したりはしない。
小説でこれをやるからにはなにかしら意味があると勘ぐってしまうのが普通だ。
わざわざテンポを殺いでいるのだから。
それをいちいちいちいち再現してるようなもの。そして明らかに意味はない。

会話のテンポが悪い原因は他にもある。
○○はにっこり微笑みながら言った?
これもまったくどうでもいい情報だ。
ご丁寧に毎度毎度、それやらないときが済まないのか。
話し手の表情なんてのは台詞の内容と文脈からこちらで脳内再生するんで逐一説明してくださらなくて結構。
明らかに不釣り合いの表情とか、そういうのを強調したいときだけで十分。
ページ数稼ぎなのだろうか? ラノベ並みの情報量の少なさ。
天気の話を延々とするみたいに会話が進まないからイライラして仕方がない。
このへんでなんど読破を挫折しそうになったか。
レビューでボロクソに叩きのめすことだけをモチベーションになんとか読み終えた。
レビューするからには、最後まで読むのが最低限の道理だからね……。

そして最後になるけど。
「ペンギン」の意味、欠片もないよね? なんの必然性もないよね?
最後の方の展開とかもうどうしようかと思ったよ。
宗教学的・民俗学的考証を並べられても困ったが、安心のクオリティ、そんなものは一切ありません!


SF設定。話の構成。展開。テキスト。オチ。
なにからなにまでパーフェクトに褒めるところがない。
大変な地雷を踏ませていただきました。


さよならペンギン (ハヤカワ文庫 JA オ 9-1) (ハヤカワ文庫JA)

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気がついたらバレンタインが近づいていたので急遽やっつけで描きました。
きのこの山ですね。素敵ですね。

絵は何枚か描いてましたがブログに貼るのを忘れてましたね。
まとめて貼っておきます。

おっぱいですね。素敵ですね。
褐色肌に挑戦してみたくて描いた一枚です。

はんぺんさんにお題を求めたら提示されたのがこれです。
なにがしたかったんでしょうね。
流水系の能力とかいう中二設定にすっかり騙されてしまいました。

よろぱさんという人に無理矢理描かされました。
おっぱいプリンセス。おっぱい。ぱい……

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能力バトルものはもう書かなくていいかな、と思えるレベルの作品。

著者は「The 男爵ディーノ」というサイトの管理人でもあり、他にいくらか著作があるが、小説は本作が初だ。
著者のジャンプ感想は僕も毎週読んでおり、著者の趣味趣向やら既存作品の不満などよく知っているので、それが存分に活かされている本作は非常によく楽しめた。
いままで様々な能力バトルものを読んできて溜まりに貯まった「俺だったらこうするのに!」を結実させた作品なのだろう。
というか、僕自身が抱えていた様々な不満に応えてくれている。

「ご都合主義を排した」と謳うこの作品は、なるほどご都合主義的な展開はほとんど見られない。
ただ、一つ疑問が生じた。
こうまで見事な、収まりのいい相性パズルが一つの戦場に《都合よく》発生するものだろうか?
なんとまあ贅沢な疑問だろう。
能力バトルの醍醐味は相性パズル。それが見事すぎることに疑問を抱くとは!
この世界の「能力」は思春期の妄想が元となるため「性に関するものが多い」という設定もあるので、まあ許容の範囲内かな。
汎用性のない能力が他の能力との相性で有用になるのは……まったく無用に終わった人もいるからバランスはとれているか。


・セールスポイントの評価
本作では広告として5つのセールスポイントを挙げている。
これが成功しているかどうかの評価をしてみよう。
※ネタバレ部分は白で伏せ字

【セールスポイント1】
「みんな最善手を打つ」:よく分かんない理由で無駄死したり、よく分かんない理由で各個撃破されたりしません。登場人物はそれぞれの知力の範囲で、みんな最善手を打とうと頑張ります。生き死にの戦闘の最中に油断したり、自分の能力を説明したりしません。
うん!
一つ気になる点はあるけれど、登場人物の立場に立ってみれば仕方ないといえなくもなく。
というのも、携帯電話の件。これをもっと早く説明していれば……
まあ、予想し得ないことだから仕方ないことではあるんだけど。

【セールスポイント2】
「しっかり会議する」:なんとなくぶつかって、なんとなく戦ったりしません。戦う前には三陣営ともしっかり会議して、各々最良の戦術を模索します。
うん!
世の中には、会議らしきものをするにはするけど一向に話はまとまらず、結局「正面突破だ!」となり、「各個撃破だ!」と叫びながら自ら戦力を分散して各個撃破されにいく頭のかわいそうな人たちがいますからね。
また、本作では「感情論に一瞬流されそうになるも、当初の作戦通り最善手をとる決断をする」という展開がある。
これも、「優勢だったのに感情に流されて負けるor追い込まれる」というありがちな展開への見事なパロディでありアンチテーゼになっている。

【セールスポイント3】
「能力説明にウソはつきません」:能力は説明書きのままに機能します。どんな無体でムチャクチャな能力でも、基本的には例外なくその通りに機能します。大規模即死能力も相手が主人公だろうがネームドキャラだろうが当たりさえすれば確実に即死します。
うん!
ただ、即死攻撃ってのは一度は当たるものなんです。能力説明も兼ねて。
その説明がなされたあと二度目があるかというとまずない。
即死攻撃に対する警戒があるからこそではあるのだけれど。
でも、福本剣を落としちゃったあたりはちょっとご都合主義を感じた。

【セールスポイント4】
「ダメージは継続します」:大怪我を負ったはずのキャラクターがしばらくすると何故かピンピンしてるとか、そういうのはありません。ダメージはダメージとして残り、その後の行動に影響します。
う、うん……?
ちょっと邪賢王さん頑丈すぎませんか?
彼の能力のおかげでもあるんだけど、彼のダメージ量はいまいちイメージしづらかった。
確かに残っているといえば残ってるんだけど。
というか、ダメージを負って生き残るキャラというのがそもそもあまりいない。ほぼ即死だし。

【セールスポイント5】
「ばくはつします」:僕達がエンターテイメント作品に求めるものは何でしょうか? 
そう、エロと暴力と爆発です。本作には全てがあります。可能な限り爆発を盛り込みました。キャラクターは無駄に爆発して死にます。
うん!
初っ端から爆発してたね!
エログロは確かに溢れていた。が、脳食シーンに描写不足を感じた。
自粛させられた(?)というのはこのあたりだろうか。
まあ、エログロは要素の一つでしかないし、むしろギャグ扱いだから本気で読者をドン引きさせる濃密な描写は別に要らなかったのかなあとも思うから、別に問題はないのだけれど。


・学園自治法
現在日本の学校事情と、二次元学園バトルものにおける警察の不干渉へのパロディか。
本作もまた学園を舞台にした能力バトルものであるため、むやみに国家権力に介入されると困る。
それを「学園自治法」というトンデモ法で補完してしまう発想には驚かされた。
あまりに意味のわからない法律なのでマクガフィン的な扱いにするのかと思っていたら、パロディを交えた歴史設定による説明までされて丁寧な作品だなあと感心した。
多くの学園バトルものに欠けている社会的背景や政治的事情にも触れているのはGOOD。
この作品における「魔人」のような異能者がもし現代社会にいたら、と妄想するとき、まず気になるのは彼らの政治的な扱いになるのだけれど、多くの作品ではその点についてあまりに無関心だった。
作者もまた、同様の不満を抱えていたのだろう。と思う。


・視点移動の禁止
とある「小説の書き方」みたいなサイトやら本やらで「視点移動の禁止」というものがあった。
小説は漫画と異なり、むやみやたらに視点を切り替えるべきではない、と。
読者は登場人物の一人に感情移入して作品のを読むので、それがいきなり変わったら混乱する、と。
だけれど、そこに掲載されている例文を読んでも僕は一切違和感を覚えない。
「これって本当に問題なん?」と思いつつ、視点のことを念頭において様々な小説を読んでみたが、なるほど、同節内での唐突な視点移動はまず見られない。
「やっぱりまずいのかな~」と思っていたが、この作品では当たり前のように、漫画のような視点移動が見られる。
そこで違和感を感じたか? 引っかかるものを感じたか?
あまり感じなかったよ(´・ω・`)
しかし、唐突に「筆者」やら「読者諸兄」(サドの澁澤訳?)とか言われるとちょっと詰まってしまった。
視点がごちゃごちゃ混在しているので、地の文は雑然としている印象を持った。
それだけといえばそれだけだが、やはりできるかぎり避けるのがベターなのだろう。



【この先、DANGEROUS!ネタバレの補償なし】
以降はネタバレをほとんどまったく気にしない感想になります。伏せ字もありません。
本作を既読の方のみお読みください。

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レム曰く、多くのSF作家が様々な地球外生命とのコンタクトを想定しているが、そこにはすでに三つのステレオタイプができている。

①意志疎通ができる場合
②彼らが人類を侵略する場合
③彼らを人類が侵略する場合

この作品の場合①(+③)といったところか。
正確には侵略ではなく迫害ではあるけれど。
めちゃくちゃ面白かったからネタバレ満載で書きたいところではあるけれど、あえて抑えて書く。

エイリアン像はレムの言うステレオタイプに当てはまるような、割とありがちなものだ。
獰猛で、醜く、力が強く、猫缶が大好物。
ほとんど完全に人間で、ただエビの姿をしているだけ。言葉も普通に通じる。
ただ、描写のバランス感覚が見事だ。
彼らのテクノロジーは間違いなく人類より上だ。
人間の技術ではまず再現不可能な兵器の数々を所有している。
にもかかわらず、彼らは人類に支配されている。
こんな強力な武器があるのに? なんで? と、観ていれば疑問に思うはずだ。
それは彼らが地球に不時着してしまったせいによる。
彼らがいくら強い兵器を持っていると言っても、もともと地球に侵略を目的にしていたわけではない。
保有している兵器はせいぜい対人だ。
人類に戦車でも持ち出されたらあっという間に殲滅される。
数と地の利においても圧倒的に人類に劣る。
いくら人類が銃器などの強力な武器を保有していても、補給なしで野獣の住む荒野にでも遭難したらどうしようもないのと同じだ。
ある程度知能のあるチンパンジーなどは面白がって遺留品を漁り拳銃を玩具にするかも知れない。
『第9地区』はちょうどそんな感じの状況だ。

そして、さらに特筆すべきは、この作品の舞台がナイジェリアであるということだ。
宇宙人が地球に侵略しようとしたら、だいたい舞台はアメリカの都会、ニューヨーク当たりが狙われるだろう。
だが、彼らは侵略に来たのではない。
そして、恐るべきはエイリアンより遙かに野蛮なナイジェリアン達よ。

MNU※ VS エイリアン VS ナイジェリアン
(※作中に登場する国際機関。要は白人の体制側の組織)

なんという地獄絵図だ!

また、ドキュメンタリー風の演出も面白い。
徹頭徹尾それで通して欲しかった気もするが、全編通してそれなりにドキュメンタリーっぽいノリなのでまあよしとしよう。
後は少々納得のいかないご都合主義的な展開もいくらか見られたが、それを補ってあまりあるドラマが待っていたので良心的に目を瞑る。
初見でも扱えるエイリアンのインターフェイスまじぱねえ。

ふと思い出せば、『イリーガル・エイリアン』も状況的には近いわね。
特に意味もなくついでにオススメ。



イリーガル・エイリアン (ハヤカワ文庫SF)

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プロフィール
HN:
饗庭淵
性別:
男性
自己紹介:
読みは「あえばふち」だよ!
SFが好きです。
公開中のゲーム作品
ロリ巨乳の里にて
パイズリセックスRPG。

幽獄の14日間
リソース管理型脱出RPG。

カリスは影差す迷宮で
仲間を弱らせて殺す遺跡探索RPG。

黒先輩と黒屋敷の闇に迷わない
探索ホラー風セクハラゲーム。

英雄候補者たち
特に変哲のない短編RPG。

Merry X'mas you, for your closed world, and you...
メタメタフィクションノベルゲーム。

公開中の小説作品
創死者の潰えた夢
世界を支配するはずだった黒幕の野望は、隕石によって粉砕された。

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「主人公補正」によって哀れにも敗れていくすべての悪役に捧ぐ。

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「どこでもドア」はいかに世界に影響を及ぼし、人類になにをもたらすのか。

Melonbooks DL

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