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あえばさんのブログです。(※ブログタイトルはよろぱさんからいただきました)
『スタートレックTNG』
writer:饗庭淵 2011-04-28(Thu) レビュー・感想・紹介 
TNGほぼ全話とDS9を40話くらいまで観た。
どう考えてもTNG>>(越えられない壁)>>DS9。
「新しい生命・文明を求めて旅を続ける」という設定と「新たな宇宙域に繋がるワームホールの監視業務」という設定ではどちらの方が面白いかなど火を見るより明らか。
また、キャラの差。TNGはピカード艦長、データ、ライカー、ジョーディ、バークレーなど魅力的なキャラに溢れていたが、DS9はまず司令官と副官のシスコとキラが気に入らん。
他の司令部メンバーや、特にクワークは好感が持てるが、データの萌えキャラっぷりには敵わない。
とはいえ、VOYには期待しているのでその下敷きになるであろうDS9も我慢して観る。
早くVOYが観たいよー。「悪魔艦長」という前評判だけ聞いててめっちゃ気になるよー。


閑話休題。TNGの感想でも。
まず評価すべきは、報告・連絡・相談がしっかり行き届いていること。
出来の悪いドラマというのはこれらの不備で話を盛り上げているだけのことが多い。
TNGも170話以上もあれば脚本家も様々、ほうれんそうの不備で話を盛り上げる脚本もあるが、基本的には守る。
そのことを象徴的に表すエピソードもいくらかある。
たとえば、時間やパラレルワールド関係の事件。
登場人物の一人だけが異常に気づき、他の人は普通にしていてなにも気づかない、みたいな事態がTNGでは何度か起こる。
時間ループものなら、一人だけがループに気づいているような状況。
あるいは歴史が改変されて、一人だけがもとの歴史を覚えているような状況。
普通だったら一人でうじうじ悩んで人に話しても信じてもらえなくて「どうすればいいんだってばよー!」と行き詰まるものだが、彼らは自らがその異変を把握したのならすぐに報告し、相談する。
そして、そのことを信じてもらった上で一緒に解決策を考えてくれるのだから心強い。
互いに仲間の能力や知性を信頼しているので「こいつがトチ狂ったり虚言を吐いているとは考えにくい。なにか理由があるはずだ」という発想になる。
もちろん、彼一人の異常を疑う方が合理的という状況なので、彼自身の診察も忘れない。
エンタープライズのクルーは異常事態に慣れすぎてる。
だから、彼らを引き合いに出して日暮らしのあの人とか窓マギのあの人を責めないであげてください……。
ちゃんと仲間を信頼して事態を丁寧に説明して正式に協力を仰げばいいのに、とか言わないであげてくださいね……。

それから「艦隊の誓い」。
他文明への不干渉を誓うという規則だが、これが往々にして悲劇を生む。
思想としてはもっともだ。銀河中で独自発展した多様性を破壊することになるし、後進国に援助するばかりでは自立を妨げることになる。
だけど、技術がないばかりに滅びようとしている文明とか、今となっては不合理な慣習が残っている文明なんてのがあるわけで。
個人的に特に印象に残ったエピは、「60歳になったら自殺しなきゃならない」という文明("Half a Life ")。
高齢社会を避けるためという合理的な理由があり、その文明では60歳の自殺は名誉なことだとされている。
「いやこの状況で自殺はねーよ! 仕事残ってるだろ!」という状況でも慣習には逆らえない。
艦隊外の人間(だから艦隊の誓いなんぞ知るかー!)が必死に説得するが聞く耳を持たない。
地球人類の歴史ではありえなかった歴史的・進化的拘束だが、あるいは別の星では……という意味で地球外文明として実に説得力があった。
グリンゴン・カーデシア・ロミュランなどとの外交問題は地上の問題を宇宙にシフトさせただけに見えなくもないけど、「艦隊の誓い」関係のエピは宇宙ならでは、SFならではという感じ。
スタトレの政治的なエピソードは非常にシビアで、必ずしも主人公大勝利!で終わるとはかぎらない。
というか、むしろそういうエピの方が少ない。
だから、最後までオチが読めなくてハラハラする。
今まで多くの既存作品から学んできた「フィクションのお約束」が通じないことも多い。
もちろん、TNGもTNGならではのお約束やマンネリみたいなものが生じてはいるけれど。
「困ったときのホロデッキ」「役に立たない保安部員」「殺人コンソール」「フェイザーは目視で避けられる」「趣味がなにかと古臭い」「俳優の節約(仲間の偽物・乗っ取られ)」などなど。


あと、細かいツッコミどころとしては。
スタトレに限ったことではないけど「一日」や「一年」の単位。
作劇上仕方ないだろうなあとは思いつつ、地球外生命が多く存在する地球外の環境で地球基準というのは納得いかない。
銀河系がヒューマノイドだらけである理由は説明はされたけど、これはされてるのだろうか。
作劇上仕方ないといえば仕方ないけど、やっぱこのへんの地球上の常識に合わせたような設定は物足りないものを感じる。

それから、全体を通して進化論への不理解。
未だに「種の保存」とかいっちゃう男の人って……。
もちろんTNGはだいぶ昔のドラマではあるけど、放映時にはすでに利己的遺伝子説はすでに提唱され、一般にもそこそこ普及しているはず。
ドーキンス『利己的な遺伝子』の刊行が1976年だし。
たとえば、スタトレでは転送の時に障害となるはずの不確定性原理を謎のブラックボックス装置(Heisenberg compensator)で解消しているという設定がある。
これも理解不能な設定ではあるが、ちゃんと量子力学の理解に基づいた上での設定だ。
しかし、進化論に関しては明らかな不理解がある。
このへんはTOS時代の伝統を守って、ということになるのだろうか。
直観的に理解しづらい理論だからだろうか。
当時SFの最前線だったスタトレがこの理論のことを知らなかったとは考えにくいが、ガチで知らなかったり理解していなかった可能性もある。
ホーガンの『星を継ぐもの』シリーズなんかも進化論関係のSFは非常にお粗末だった。
物理・工学知識は確かなものでも生物進化学に関しては理解が浅いというのはよくあることなのかなー?
まあ、TNGでは新たな生命を求めてるわりには進化論的に興味深いエピソードってあんまりなかった気がする。
挙げるなら上述した「60歳になったら自殺しなきゃならない」文明とか、このへんは短いスパンでの進化論SF。

単に僕の気にしすぎというだけかも知れない。
スタトレもSF的な突っ込みどころを挙げるなら切りがない。
通信技術なんかは『攻殻機動隊』の方がよっぽど進んで見える。
報告ができない状態になる→なにがあった!ってのはちょいお粗末。
視覚情報くらい共有すべき。ラフォージのバイザーの映像をモニターしてたエピはあったけど、あれを全員にできないものか。
また、行く先行く先宇宙服の不要なMクラスの惑星ばっかりだったり。宇宙服を着るエピソードがそもそもない。
その関係でテレイグジスタンスの遠隔操作ロボとか登場してもよさそうなのに。
あるいは、アンドロイドのクルーがデータだけという設定。これは作劇上の問題なんだろうけど。
 

特に好きなエピソードといえばなにがあるだろう。
やっぱりQのエピは概ね面白い。
第一話から人類をステレオタイプに糾弾することでスタトレの世界観をうまく表現している。
とにかくハゲがカッコイイんだよハゲが……!
"Deja Q"が特に好き。心底Qのことを信用してないあたりが視聴者の心情とリンクする。
で、ボーグエピ。ボーグキューブ怖い。"I, Borg"とか素敵。うるっと来た。
思えば"Skin of Evil"のアルマスも怖かったなー。
過去にああいう敵と戦っているにもかかわらずボーグとの初接触で「宇宙に恐れるものはないという慢心をもっていた」っておまっ、ハゲそりゃないぜ、と思ったもの。
あとは「艦隊の誓い」関係エピで"First Contact"かな。オチがよくできてる。
エピソードガイドを見ながら思い返していたら切りがなさそうなのでこのへんで。

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