あえばさんのブログです。(※ブログタイトルはよろぱさんからいただきました)
レビュー・感想・紹介
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「カマソッソ」シリーズをPIAIしました。
とてつもなく面白かったです。クッソ面白かった。めちゃくちゃ面白い。
語彙がねえなと思うけどとにかく面白い。まずこれを強調したい。
なんやねん、というと、「RPGツクール2000」でつくられた「見るゲ」というジャンルの作品になります。
要はノベルゲームみたいなの。
「シリーズ三部作+α」という構成で、一言で表すなら……表すなら……なんだろ……。
一言ではいい表しづらい作品! その理由はそれぞれを個別に紹介しながら解説しましょう!
※ちなみにVIPRPGの慣習としてexeファイルが抜かれています!
プレイするためにはこちらのツールを利用すると便利です。
(追記)
※本シリーズを含む作者さんの公式サイトができたようです。
こちらでDLするとexeファイルも同梱されています。
『カマソッソの誕生』
(公式紹介画像より)
第一作。
ジャンルは「ドタバタコメディ系見るゲー」。
“悪魔が召喚され願いを叶える”という言い伝えの「カマソキューブ」だったが……叶えられる願いは悪魔のものだった!
復活した悪神カマソッソが世界を手中に収めるため動き出す……が、封印されすぎて力は大幅に弱体化!
「悪ゲージ」を溜めなければ力は戻らない! わずかな力で悪事を働けカマソッソ様!
というようなあらすじ。
悪事の内容もいちいちしょうもなくて、老人を生き埋めにしたりピンポンダッシュしたり居候先で大音量の音楽を流して迷惑をかけたり……。
そんなしょうもない悪事を繰り返して「悪ゲージ」を溜めていくんだけど、うっかり「善行」を働いてしまって台無しになってしまったり。
そんなこんなでギャグ9割、シリアス1割みたいなお話。
シリアスパートとしては強キャラが続々登場して、歴戦の勇者アレックスやら人間と和解している魔王軍やら玉露三将軍のアグネファイアやらと、「カマソッソ様、仮に完全復活しても大丈夫?」と不安になるほど。
むろん、弱体化している本作では手も足も出ないので、悪事を働こうにも司法の力に取り押さえられて二進も三進もいかない有様。
力を失い、それゆえに人間たちと多く関わるようになってカマソッソ様は「なぜ自分は悪を成すのか」を考えるようになり……。
パロディ盛りだくさんのドタバタコメディ、勢いのあるテキストで進行しつつも最終的には美しく収束していきます。
そんな「神」と「人」の物語。
『カマソッソの謎』
(公式紹介画像より)
第二作。
ジャンルは「ダークシリアス系見るゲー」。
前作を知ってると「は?」となりそうなジャンル名ですが……嘘偽りなくダークシリアスです。
この「カマソッソ」シリーズは作者自身も語っていますが、作品ごとにジャンルがガラリと変わります。そういう試みなのだそうです。
「カマソッソ」シリーズを「一言ではいい表しづらい」としたのはこのためです。
前作ではあれほど愛嬌のあるポンコツ悪神だったカマソッソ様ですが、本作では「邪悪の化身」そのものとして君臨します。
というのも、カマソッソ様は「神」であり、地上に受肉する際にはその依り代によって性質が大きく変わるためです。
『誕生』では「元勇者の盗賊」を依り代としていたため悪神とはいえかなり善良な性質となっていましたが、本作では「長年の戦争で積もりに積もった憎悪」を依り代としています。
もはや邪悪要素しかない。愛嬌も茶目っ気も微塵もありません。邪悪オブ邪悪です。
前作でいうところの「悪ゲージ」はMAXです。なので強さも途方もない。
前作でも設定としてはそのように語られていました。
「こんなポンコツ悪神だけど力を取り戻したらなんだかんだガチのやべー悪役になるのでは?」
そんなことを僕も考えてはいました。
マジでガチのやべー悪役になりました。
あるじゃないですか。
「魔王」だとか「悪の秘密結社」だとか、本来なら悪役の立場にあるキャラを主人公にして可愛らしく描いてコメディ風にする作品。
カマソッソ様も「誕生」だけならその系統の作品です。
「魔王」だの「悪神」だのは名ばかりで実際には愛嬌のある憎めないキャラで、そのギャップが可愛らしいみたいな。
「カマソッソ」シリーズでは、そんなただの「設定」だと思っていたものがガチで拾われます。
というわけで、本作におけるカマソッソ様は主人公ではなく悪役、それもラスボスです。
前作ではギャグキャラでしかなかったカマソッソ様の部下セノバイトも本気でおそろしい。
「風そのものになる」とか「すべての攻撃を回避する」とか無体すぎる能力で大暴れしたりします。
ビジュアルは前作と同じでギャグキャラそのものなのに! めちゃくちゃこわい!
さて、本編のお話。
舞台は前作では仄めかし程度に名前の出ていた「法王庁」のある神の国。
前作同様さまざまな強キャラが跳梁跋扈しますが……まったく見え方が変わります。
「カマソッソ様大丈夫? こんな連中に勝てる?」だったのが前作。
本作では「いったい誰がカマソッソ様に勝てるんだ……?!」という途方もない絶望感に見舞われます。
本作のカマソッソ様はもはや厄災。
軍がいくら束になってかかっても手も足も出ないほど凶悪です。それでいて狡猾。
戦争状態をできるだけ長引かせる策略を巡らせて世界を滅ぼさんという勢いです。
戦場描写がとにかく重い。悲惨。
前作においては悪役に位置していたアグネファイア将軍が見ていていたたまれないほどです。
本作ではシリアス9割、ギャグ1割です。
ギャグ1割といってもシリアスパートがあまりに重いので蹂躙される前振りにしか見えません。つらい。
あと百合です。
『カマソッソの最期』
(公式紹介画像より)
第三作。
ジャンルは「ラブストーリー系ギャグアクション見るゲー」。
シリーズ集大成、完結編です。
またしてもジャンルが大きく異なりますが、ノリとしてはどちらかといえば『誕生』寄りです。
一方で平気で人が死にます。本筋はかなりシリアスなアクションものです。
というわけで、シリアス5割、ギャグ5割といったところでしょうか。
シリアスとギャグで交互にぶん殴られて頭おかしなりますよこんなん。
「ギャグかと思っていたものが実はシリアスの伏線だった!」みたいなのが好きなら本作ですね。
この感じ、なーんか覚えがあるな……と思ったらFFSですよ。
えーっと、FFSというのは……「ファイナルファンタジー」の二次創作小説で……あ、これも説明してたら脱線してキリがない!
シリーズ集大成だけあってキャラクターがとにかく多く登場します。
当然それぞれに物語が発生して、それぞれを真面目に書いてたらダレてしまいそうなところをギャグ描写ですっぱり切り捨てる! みたいな思い切りのよさがあります。
「もう全部こいつに任せればいいんじゃないかな」みたいな味方側の強キャラがいたりしますが、そいつに任せると主人公の出番がないじゃん!
というのを、クソしょーもないギャグ展開で無力化したります。すげえ……。
あ、ちなみにここでいう「主人公」というのはカマソッソ様ではなく「アレックス」になります。
前作より百年以上経過した世界が舞台で、勇者一族の子孫ですね。
そういうわけで前作や前々作からの続投キャラはカマソッソ様みたいな神だったり、数百年以上の寿命を持つような長命種にかぎります。
それ以外にも見覚えのあるキャラはちょいちょい出ますが、彼らは姿形を同じくする転生者であって以前の記憶は持っていなかったりする設定になります。
アグネファイア将軍は魔人ということで続投です。やったー!
『誕生』では悪役、『謎』では脇役、『最期』では頼れる味方キャラです。
「おばさん」だの「ババア」だの呼ばれますが、まさにそういう最強ババアポジション。
ホントにもうめちゃくちゃかっこいい……。
前作のあの二人も感動の再会を果たすぞ!
二人とも転生してるので記憶はありませんが、魂が惹かれあってるんですねえ。
……こんなきたない再会ある?
作者自身もあとがきでいってますが、本作はキャラゲーになります。
『誕生』や『謎』みたいにテーマ性よりはキャラがいっぱいドッタンバッタン大騒ぎして楽しい! というお祭りみたいな作品です。
カマソッソ様がいないと思って調子に乗って「邪帝王フラミッミ」を名乗りだすフラミーとか。
パンプキンと再会してめっちゃ笑顔のカマソッソ様とか……。
カワイイおばあちゃんの側面を見せるアグネファイアとか……。
で、刃牙道です。
もはやパロディという次元じゃないというほどの刃牙道です。
刃牙道における武蔵モチーフのキャラクター、「ムシャ」が大暴れします。
主人公のアレックスは刃牙で、ピクルっぽいやつ、本部以蔵っぽいやつ、ガイアっぽいやつ、モハメド・タライJrなど盛りだくさん。
地下闘技場みたいなところで決着をつけたりします。
戦闘描写の白熱っぷりがすんごい。
あとはこう、ネウロですね。
今回のカマソッソ様は、人格ベースとしては『誕生』ですが、実力としては『謎』のときくらいに強いです。
邪悪オブ邪悪な性質は彼女本来のものではありますが、『謎』ほどガチではなく、力を持ち人々に大迷惑をかけながらも愛嬌に満ちた存在となっています。
要するにネウロみたいな感じです。
「もはや別キャラじゃん!」ってくらいにシリーズ作それぞれで性質の異なるカマソッソ様ですが、本人としては記憶も引き継いでいて、同一性・連続性は保たれている認識のようです。
たとえば『誕生』における演説を恥ずかしがったりとか、『謎』における大虐殺を悔いたりとか、人間の感覚ではそういうのがありそうですが、彼女は「神」です。
そういうのがまったくない。
これほどまでに多様で幅のある性質すべてひっくるめて「カマソッソ様」というキャラクターなのですね。
『カマソッソの冬休み』
(公式紹介画像より)
ジャンルは「日常系はちゃめちゃギャグ紙芝居」。
三部作でおわりじゃなかったんですかー! やったー!
時系列としては『最期』でカットされた「冬休み」という位置づけ。
お気軽な短編かと思ったら結構ボリュームがある! うれしい!
オムニバス形式で盛りだくさん!
カマソッソとシドの関係がホント愛おしい……。
この面子で格付けチェックパロディとか面白くないわけがない。
「涙と友情の雪合戦」ではフラミーと前貼りも喧嘩ばっかりで仲の悪い百合!(?)
『最期』で媚薬飲んで欲情したフラミーが前貼り狙ってたのもそういうことだったんやなって。
「ミズニーマウスのあばれ旅」は作中では中堅くらいの実力者がやたらめったら喧嘩を売りまくるという番外編として最高な話。
そこそこは強いけどそらなー、お前アグネファイアに喧嘩売ろうってのは無謀すぎるやろ!?
「クリスマスだよ! 全員集合!」はホントに全員集合してクリスマスパーティだー!!
最高すぎる……ここまでカマソッソ様を追っかけてきたプレイヤーにとってはあまりに幸せな時間です。
『最期』でもアグネファイアとサンタにはふかいかかわりがありましたね。
でもやっぱクリスマスはこうだよな!!
最終章「ラストダンス」では、第一作でパートナーだった恍惚、第二作で敵だったネクロとの絡みがもうね……。
神であるカマソッソ様と違って二人は人間なので、今いる彼らは転生した存在であって以前の彼らではありません。
記録として以前のカマソッソ様を知ってはいても、記憶はない。
ネクロに対しては、あまりの体たらくに公式との解釈違いで発狂したオタクみたいになるカマソッソ様。
そんなこんなと、カマソッソ様の彼らへの感情は一方的なものに過ぎないという寂寥感はあるものの、なんだかんだと新しい関係を築いていく。
こんなん……番外編じゃなくて真・最終章やんけ!!
というわけで、カマソッソシリーズは「三部作+α」改め「四部作」です。
【補足】
ちなみに「カマソッソ」シリーズの登場人物や設定はVIPRPG「もしもシリーズ」というシェアードワールドを基にしたものになっています。
勇者アレックスなどのRTPキャラ※はもちろん、アグネファイアなどの玉露三将軍など、というか登場人物はほぼすべてスターシステムめいたやつです。
(※「RPGツクール」シリーズのデフォ素材として収録されているキャラクター)
なので、本シリーズを楽しむためにはそういった前提知識が少し必要かもしれません。
(アレックスとファルコンが元勇者で仲間みたいなのはそのへん知らないと唐突すぎるように見えるかも)
(「恍惚なる闇」って人名!? とか)
まあ、僕もそんな詳しくは知らないのでそういうものだと薄らぼんやりと知ってればいいんじゃないかと思います!
要するに……
こいつは極上のエンターテイメントだ!! PIAI、しよう!!
とてつもなく面白かったです。クッソ面白かった。めちゃくちゃ面白い。
語彙がねえなと思うけどとにかく面白い。まずこれを強調したい。
なんやねん、というと、「RPGツクール2000」でつくられた「見るゲ」というジャンルの作品になります。
要はノベルゲームみたいなの。
「シリーズ三部作+α」という構成で、一言で表すなら……表すなら……なんだろ……。
一言ではいい表しづらい作品! その理由はそれぞれを個別に紹介しながら解説しましょう!
※ちなみにVIPRPGの慣習としてexeファイルが抜かれています!
プレイするためにはこちらのツールを利用すると便利です。
(追記)
※本シリーズを含む作者さんの公式サイトができたようです。
こちらでDLするとexeファイルも同梱されています。
『カマソッソの誕生』
(公式紹介画像より)
第一作。
ジャンルは「ドタバタコメディ系見るゲー」。
“悪魔が召喚され願いを叶える”という言い伝えの「カマソキューブ」だったが……叶えられる願いは悪魔のものだった!
復活した悪神カマソッソが世界を手中に収めるため動き出す……が、封印されすぎて力は大幅に弱体化!
「悪ゲージ」を溜めなければ力は戻らない! わずかな力で悪事を働けカマソッソ様!
というようなあらすじ。
悪事の内容もいちいちしょうもなくて、老人を生き埋めにしたりピンポンダッシュしたり居候先で大音量の音楽を流して迷惑をかけたり……。
そんなしょうもない悪事を繰り返して「悪ゲージ」を溜めていくんだけど、うっかり「善行」を働いてしまって台無しになってしまったり。
そんなこんなでギャグ9割、シリアス1割みたいなお話。
シリアスパートとしては強キャラが続々登場して、歴戦の勇者アレックスやら人間と和解している魔王軍やら玉露三将軍のアグネファイアやらと、「カマソッソ様、仮に完全復活しても大丈夫?」と不安になるほど。
むろん、弱体化している本作では手も足も出ないので、悪事を働こうにも司法の力に取り押さえられて二進も三進もいかない有様。
力を失い、それゆえに人間たちと多く関わるようになってカマソッソ様は「なぜ自分は悪を成すのか」を考えるようになり……。
パロディ盛りだくさんのドタバタコメディ、勢いのあるテキストで進行しつつも最終的には美しく収束していきます。
そんな「神」と「人」の物語。
『カマソッソの謎』
(公式紹介画像より)
第二作。
ジャンルは「ダークシリアス系見るゲー」。
前作を知ってると「は?」となりそうなジャンル名ですが……嘘偽りなくダークシリアスです。
この「カマソッソ」シリーズは作者自身も語っていますが、作品ごとにジャンルがガラリと変わります。そういう試みなのだそうです。
「カマソッソ」シリーズを「一言ではいい表しづらい」としたのはこのためです。
前作ではあれほど愛嬌のあるポンコツ悪神だったカマソッソ様ですが、本作では「邪悪の化身」そのものとして君臨します。
というのも、カマソッソ様は「神」であり、地上に受肉する際にはその依り代によって性質が大きく変わるためです。
『誕生』では「元勇者の盗賊」を依り代としていたため悪神とはいえかなり善良な性質となっていましたが、本作では「長年の戦争で積もりに積もった憎悪」を依り代としています。
もはや邪悪要素しかない。愛嬌も茶目っ気も微塵もありません。邪悪オブ邪悪です。
前作でいうところの「悪ゲージ」はMAXです。なので強さも途方もない。
前作でも設定としてはそのように語られていました。
「こんなポンコツ悪神だけど力を取り戻したらなんだかんだガチのやべー悪役になるのでは?」
そんなことを僕も考えてはいました。
マジでガチのやべー悪役になりました。
あるじゃないですか。
「魔王」だとか「悪の秘密結社」だとか、本来なら悪役の立場にあるキャラを主人公にして可愛らしく描いてコメディ風にする作品。
カマソッソ様も「誕生」だけならその系統の作品です。
「魔王」だの「悪神」だのは名ばかりで実際には愛嬌のある憎めないキャラで、そのギャップが可愛らしいみたいな。
「カマソッソ」シリーズでは、そんなただの「設定」だと思っていたものがガチで拾われます。
というわけで、本作におけるカマソッソ様は主人公ではなく悪役、それもラスボスです。
前作ではギャグキャラでしかなかったカマソッソ様の部下セノバイトも本気でおそろしい。
「風そのものになる」とか「すべての攻撃を回避する」とか無体すぎる能力で大暴れしたりします。
ビジュアルは前作と同じでギャグキャラそのものなのに! めちゃくちゃこわい!
さて、本編のお話。
舞台は前作では仄めかし程度に名前の出ていた「法王庁」のある神の国。
前作同様さまざまな強キャラが跳梁跋扈しますが……まったく見え方が変わります。
「カマソッソ様大丈夫? こんな連中に勝てる?」だったのが前作。
本作では「いったい誰がカマソッソ様に勝てるんだ……?!」という途方もない絶望感に見舞われます。
本作のカマソッソ様はもはや厄災。
軍がいくら束になってかかっても手も足も出ないほど凶悪です。それでいて狡猾。
戦争状態をできるだけ長引かせる策略を巡らせて世界を滅ぼさんという勢いです。
戦場描写がとにかく重い。悲惨。
前作においては悪役に位置していたアグネファイア将軍が見ていていたたまれないほどです。
本作ではシリアス9割、ギャグ1割です。
ギャグ1割といってもシリアスパートがあまりに重いので蹂躙される前振りにしか見えません。つらい。
あと百合です。
『カマソッソの最期』
(公式紹介画像より)
第三作。
ジャンルは「ラブストーリー系ギャグアクション見るゲー」。
シリーズ集大成、完結編です。
またしてもジャンルが大きく異なりますが、ノリとしてはどちらかといえば『誕生』寄りです。
一方で平気で人が死にます。本筋はかなりシリアスなアクションものです。
というわけで、シリアス5割、ギャグ5割といったところでしょうか。
シリアスとギャグで交互にぶん殴られて頭おかしなりますよこんなん。
「ギャグかと思っていたものが実はシリアスの伏線だった!」みたいなのが好きなら本作ですね。
この感じ、なーんか覚えがあるな……と思ったらFFSですよ。
えーっと、FFSというのは……「ファイナルファンタジー」の二次創作小説で……あ、これも説明してたら脱線してキリがない!
シリーズ集大成だけあってキャラクターがとにかく多く登場します。
当然それぞれに物語が発生して、それぞれを真面目に書いてたらダレてしまいそうなところをギャグ描写ですっぱり切り捨てる! みたいな思い切りのよさがあります。
「もう全部こいつに任せればいいんじゃないかな」みたいな味方側の強キャラがいたりしますが、そいつに任せると主人公の出番がないじゃん!
というのを、クソしょーもないギャグ展開で無力化したります。すげえ……。
あ、ちなみにここでいう「主人公」というのはカマソッソ様ではなく「アレックス」になります。
前作より百年以上経過した世界が舞台で、勇者一族の子孫ですね。
そういうわけで前作や前々作からの続投キャラはカマソッソ様みたいな神だったり、数百年以上の寿命を持つような長命種にかぎります。
それ以外にも見覚えのあるキャラはちょいちょい出ますが、彼らは姿形を同じくする転生者であって以前の記憶は持っていなかったりする設定になります。
アグネファイア将軍は魔人ということで続投です。やったー!
『誕生』では悪役、『謎』では脇役、『最期』では頼れる味方キャラです。
「おばさん」だの「ババア」だの呼ばれますが、まさにそういう最強ババアポジション。
ホントにもうめちゃくちゃかっこいい……。
前作のあの二人も感動の再会を果たすぞ!
二人とも転生してるので記憶はありませんが、魂が惹かれあってるんですねえ。
……こんなきたない再会ある?
作者自身もあとがきでいってますが、本作はキャラゲーになります。
『誕生』や『謎』みたいにテーマ性よりはキャラがいっぱいドッタンバッタン大騒ぎして楽しい! というお祭りみたいな作品です。
カマソッソ様がいないと思って調子に乗って「邪帝王フラミッミ」を名乗りだすフラミーとか。
パンプキンと再会してめっちゃ笑顔のカマソッソ様とか……。
カワイイおばあちゃんの側面を見せるアグネファイアとか……。
で、刃牙道です。
もはやパロディという次元じゃないというほどの刃牙道です。
刃牙道における武蔵モチーフのキャラクター、「ムシャ」が大暴れします。
主人公のアレックスは刃牙で、ピクルっぽいやつ、本部以蔵っぽいやつ、ガイアっぽいやつ、モハメド・タライJrなど盛りだくさん。
地下闘技場みたいなところで決着をつけたりします。
戦闘描写の白熱っぷりがすんごい。
あとはこう、ネウロですね。
今回のカマソッソ様は、人格ベースとしては『誕生』ですが、実力としては『謎』のときくらいに強いです。
邪悪オブ邪悪な性質は彼女本来のものではありますが、『謎』ほどガチではなく、力を持ち人々に大迷惑をかけながらも愛嬌に満ちた存在となっています。
要するにネウロみたいな感じです。
「もはや別キャラじゃん!」ってくらいにシリーズ作それぞれで性質の異なるカマソッソ様ですが、本人としては記憶も引き継いでいて、同一性・連続性は保たれている認識のようです。
たとえば『誕生』における演説を恥ずかしがったりとか、『謎』における大虐殺を悔いたりとか、人間の感覚ではそういうのがありそうですが、彼女は「神」です。
そういうのがまったくない。
これほどまでに多様で幅のある性質すべてひっくるめて「カマソッソ様」というキャラクターなのですね。
『カマソッソの冬休み』
(公式紹介画像より)
ジャンルは「日常系はちゃめちゃギャグ紙芝居」。
三部作でおわりじゃなかったんですかー! やったー!
時系列としては『最期』でカットされた「冬休み」という位置づけ。
お気軽な短編かと思ったら結構ボリュームがある! うれしい!
オムニバス形式で盛りだくさん!
カマソッソとシドの関係がホント愛おしい……。
この面子で格付けチェックパロディとか面白くないわけがない。
「涙と友情の雪合戦」ではフラミーと前貼りも喧嘩ばっかりで仲の悪い百合!(?)
『最期』で媚薬飲んで欲情したフラミーが前貼り狙ってたのもそういうことだったんやなって。
「ミズニーマウスのあばれ旅」は作中では中堅くらいの実力者がやたらめったら喧嘩を売りまくるという番外編として最高な話。
そこそこは強いけどそらなー、お前アグネファイアに喧嘩売ろうってのは無謀すぎるやろ!?
「クリスマスだよ! 全員集合!」はホントに全員集合してクリスマスパーティだー!!
最高すぎる……ここまでカマソッソ様を追っかけてきたプレイヤーにとってはあまりに幸せな時間です。
『最期』でもアグネファイアとサンタにはふかいかかわりがありましたね。
でもやっぱクリスマスはこうだよな!!
最終章「ラストダンス」では、第一作でパートナーだった恍惚、第二作で敵だったネクロとの絡みがもうね……。
神であるカマソッソ様と違って二人は人間なので、今いる彼らは転生した存在であって以前の彼らではありません。
記録として以前のカマソッソ様を知ってはいても、記憶はない。
ネクロに対しては、あまりの体たらくに公式との解釈違いで発狂したオタクみたいになるカマソッソ様。
そんなこんなと、カマソッソ様の彼らへの感情は一方的なものに過ぎないという寂寥感はあるものの、なんだかんだと新しい関係を築いていく。
こんなん……番外編じゃなくて真・最終章やんけ!!
というわけで、カマソッソシリーズは「三部作+α」改め「四部作」です。
【補足】
ちなみに「カマソッソ」シリーズの登場人物や設定はVIPRPG「もしもシリーズ」というシェアードワールドを基にしたものになっています。
勇者アレックスなどのRTPキャラ※はもちろん、アグネファイアなどの玉露三将軍など、というか登場人物はほぼすべてスターシステムめいたやつです。
(※「RPGツクール」シリーズのデフォ素材として収録されているキャラクター)
なので、本シリーズを楽しむためにはそういった前提知識が少し必要かもしれません。
(アレックスとファルコンが元勇者で仲間みたいなのはそのへん知らないと唐突すぎるように見えるかも)
(「恍惚なる闇」って人名!? とか)
まあ、僕もそんな詳しくは知らないのでそういうものだと薄らぼんやりと知ってればいいんじゃないかと思います!
要するに……
こいつは極上のエンターテイメントだ!! PIAI、しよう!!
PR
フリーゲームです。DL先はこちら
昔、もしかしたら10年くらい前に、プレイして面白かったけどクリアまではしてなかったゲームがあったなあ、と。
たしか海賊が主人公で、RPGツクール95製で……
でもツクール95って今じゃOS的にプレイできないかなあ……
と思っていたら、win7でもふつうに動きました。
というわけで、やるしかないと。
やりました。
めちゃくちゃ面白かったです。
まず、あらかじめいっておきますと、RPGツクール95作品なので操作性やUIは悪いです。
アイテムの購入や使用は一つずつだったり、装備もわかりづらい。
古い作品なのもあり、マップのつくりも粗い。
回り道をさせるためだけの行き止まりだらけのダンジョンだったり、無駄に広かったり。
理不尽な罠だったり、進行不能になってしまうような致命的なバグが残っていたり。
戦闘に関しても、なぜか技がまったく通用しない敵がよく出てきて、そういう場合は通常攻撃を連打して倒すしかない。
あと、BGMがありません。好きな曲を聴きながらプレイしよう!
そういった様々な点で、現代の水準からすれば決してよくできた作品とは言い難いです、が……
それを補って余りあるほどに冒険のワクワク感がたまらない!
この冒険のワクワク感は、「主人公が海賊である」という設定に大きくよっています。
それもただの海賊ではない。
「最強無敵のアーガス」だ!
とにかく、このアーガス様はすごいのです。
野球をやらせればホームラン、ライブをやらせればあまりのカリスマに観客が失神、絶世の美女と出会えば互いに一目惚れでその場での婚約。
喧嘩が強いだけでなく、なにをやらせてもうまくいく。
世界はアーガス様を中心に回っているのです。
否、回り出すというべきでしょうか。
ゲームは世界の片隅から、アーガス様がアジトから出航する時点から始まります。
塩酸に侵され通行不能になった北の海を除き、基本的にどこへでも行くことができます。
広大なフィールドマップを冒険することになりますが、開始時点ではアーガス様のアジトしかマップ上には表示されていません。
新しい街やダンジョンは接触して「発見」する必要があるのです。
つまり、開始時点ではアーガス様の名は世界に知られていません。
幽霊屋敷、小人の村、動物の村、イースター島、ミステリーサークル、ピラミッド、夢の島、ムー大陸、動物虐殺センター、などなど。
ごちゃ混ぜで荒唐無稽、ある意味で子供じみた、嘘くさく、まるで夢のような世界。
そんな世界を「最強無敵のアーガス」として荒らし回る。
通行料が必要です? 殴り倒して無理矢理通ります。
絶滅寸前の最後の人魚? それはかわいそうですね。
嵐さえも脅して退けます。
主人公は海賊ですが、この世界には勇者も魔王もいます。
RPGでは定番の魔王城、それを悪逆非道の「海賊として」乗り込む!
そんな冒険の数々が待っています。
前述したように難点は多いのでオススメはしづらいですが、僕は非常に楽しめました。
興味を持ってプレイしてくださる方がいるかも知れないので、簡単な攻略情報を載せておきます。
まず、「財宝」は換金アイテムです。
財宝コレクターを探し、売り払ってお金にしましょう。
お金を得たら隣の武器・防具店で装備を揃えると冒険がかなり楽になります。
場所は太平洋の西側、大陸の沿岸近くを探していれば見つかるかと。
また、詰まりそうな点として、ゲーム中にも露骨なヒントがあったりしますが
①ジェイクはあるフラグを立てると東の端の海に出現
②ジェイクのアジトは北東大陸の西端
③マスターキーを手に入れたらアーガス城の宝物庫を開けよう
こんなところです。
残虐非道にて最強無敵のアーガス様ですが、たまに妙に可愛い一面を見せたり……。
昔、もしかしたら10年くらい前に、プレイして面白かったけどクリアまではしてなかったゲームがあったなあ、と。
たしか海賊が主人公で、RPGツクール95製で……
でもツクール95って今じゃOS的にプレイできないかなあ……
と思っていたら、win7でもふつうに動きました。
というわけで、やるしかないと。
やりました。
めちゃくちゃ面白かったです。
まず、あらかじめいっておきますと、RPGツクール95作品なので操作性やUIは悪いです。
アイテムの購入や使用は一つずつだったり、装備もわかりづらい。
古い作品なのもあり、マップのつくりも粗い。
回り道をさせるためだけの行き止まりだらけのダンジョンだったり、無駄に広かったり。
理不尽な罠だったり、進行不能になってしまうような致命的なバグが残っていたり。
戦闘に関しても、なぜか技がまったく通用しない敵がよく出てきて、そういう場合は通常攻撃を連打して倒すしかない。
あと、BGMがありません。好きな曲を聴きながらプレイしよう!
そういった様々な点で、現代の水準からすれば決してよくできた作品とは言い難いです、が……
それを補って余りあるほどに冒険のワクワク感がたまらない!
この冒険のワクワク感は、「主人公が海賊である」という設定に大きくよっています。
それもただの海賊ではない。
「最強無敵のアーガス」だ!
とにかく、このアーガス様はすごいのです。
野球をやらせればホームラン、ライブをやらせればあまりのカリスマに観客が失神、絶世の美女と出会えば互いに一目惚れでその場での婚約。
喧嘩が強いだけでなく、なにをやらせてもうまくいく。
世界はアーガス様を中心に回っているのです。
否、回り出すというべきでしょうか。
ゲームは世界の片隅から、アーガス様がアジトから出航する時点から始まります。
塩酸に侵され通行不能になった北の海を除き、基本的にどこへでも行くことができます。
広大なフィールドマップを冒険することになりますが、開始時点ではアーガス様のアジトしかマップ上には表示されていません。
新しい街やダンジョンは接触して「発見」する必要があるのです。
つまり、開始時点ではアーガス様の名は世界に知られていません。
幽霊屋敷、小人の村、動物の村、イースター島、ミステリーサークル、ピラミッド、夢の島、ムー大陸、動物虐殺センター、などなど。
ごちゃ混ぜで荒唐無稽、ある意味で子供じみた、嘘くさく、まるで夢のような世界。
そんな世界を「最強無敵のアーガス」として荒らし回る。
通行料が必要です? 殴り倒して無理矢理通ります。
絶滅寸前の最後の人魚? それはかわいそうですね。
嵐さえも脅して退けます。
主人公は海賊ですが、この世界には勇者も魔王もいます。
RPGでは定番の魔王城、それを悪逆非道の「海賊として」乗り込む!
そんな冒険の数々が待っています。
前述したように難点は多いのでオススメはしづらいですが、僕は非常に楽しめました。
興味を持ってプレイしてくださる方がいるかも知れないので、簡単な攻略情報を載せておきます。
まず、「財宝」は換金アイテムです。
財宝コレクターを探し、売り払ってお金にしましょう。
お金を得たら隣の武器・防具店で装備を揃えると冒険がかなり楽になります。
場所は太平洋の西側、大陸の沿岸近くを探していれば見つかるかと。
また、詰まりそうな点として、ゲーム中にも露骨なヒントがあったりしますが
①ジェイクはあるフラグを立てると東の端の海に出現
②ジェイクのアジトは北東大陸の西端
③マスターキーを手に入れたらアーガス城の宝物庫を開けよう
こんなところです。
残虐非道にて最強無敵のアーガス様ですが、たまに妙に可愛い一面を見せたり……。
前回の続き。
フリーゲームのレビュー。
・ねこみみにっつ
一分で終わる乙女ゲー(一分でクリアできるとは言ってない)。
要するに一分の制限時間でレベルを上げたりドーピングしたり仲間を増やしたり装備を揃えたりドーピングしたりして女子力(物理)を上げてお兄ちゃんを倒すゲーム。
初回プレイでは初見殺しに引っかかるため、まず失敗する。
ただ、失敗した場合でもエンディングが分岐するため、そこで周回が前提のゲームであるとわかる。
周回が前提といってもプレイ時間はたったの一分。
持ち込むのは前世の記憶のみ。
すごい勢いで敵を倒しレベルを上げ金を稼ぎお魚をむさぼる。
エンディングは5つに分岐するが、それぞれ条件が明確なのでリプレイしやすい。
最初は一分という制限時間もありパズルゲームのようなものかと思っていたが、実際にはレベル上げ&ドーピングゲー。
普段はレベル上げは好きではないが、制限時間があると可能なかぎり上げてやろうという効率厨の魂が揺さぶられる。
フルコンプに27分という結果となった。
シンプルで楽しい、手軽にプレイできるゲーム。
・テレポー塔プラス
2D版『Portal』。
というのはあまりに雑な紹介になるが、『Portal』と似たようなプレイ感を味わえるパズルアクションゲーム、というのがやはりわかりやすい。
実際、『Portal』のゲームデザインには影響を受けたと作者がコメントしている。
操作はシンプルで、横移動とジャンプ、テレポートのみ。
そのシステム自体は直感的に理解しやすいが、プレイヤーはすぐに気づくはずだ。
「脳が追いつかない」と。
テレポートボタンでキャラクターを左右の画面に移動させ、その移動先は半透明のキャラクターで示される。
そうやって、「右だと通れないが左だと通れる場所」「あるいはその逆」を見つけながら攻略していく。
ことになるわけだが、このテレポート移動に、プレイヤーの脳が追いつかない。
要するに右にいるのか左にいるのか混乱してしまう。
そして、ステージが進むごとに、やはり「ジャンプ中のテレポート」「自由落下中のテレポート」などアクション操作が要求されてくる。
これが慣れるまで難しく、そして楽しい。
「ジャンプした後テレポートしたらあの位置だな……」と事前に確認した上で操作を決定して、あとで「お、うまくいったな」と脳が追いつく感じ。
アクセルとブレーキを踏み間違えて事故を起こす人の気持ちが理解できるはずだ。
ステージが進むごとにギミックも増え、それらを駆使することも重要になってくる。
「掴むことのできる出っ張り」「大ジャンプが可能になる輪」「掴めない角」「触れると死ぬ棘」など。
また、上の画像にある黄色や青のエリアは隣の画面ではなく、その画面内で対応するもう一つのエリアにテレポートするギミックとなる。
パズル的にも頭を悩ますステージがあり、しかしわかってしまうと「なぜこんなことで悩んでいたんだ……」というのもまさに『Portal』である。
非の打ち所のない完成されたゲームの一つと言えるかも知れない。
・OFF
邦訳されたフランス製RPG。
『ゆめにっき』や『タオルケットはもう一度』の系統といえばフリーゲーマーにはわかりやすいか。
要するに演出重視の雰囲気ゲーだ。
散々言われているが、致命的な欠点はRPGツクール2003製であること。
とにかく戦闘がだるい。つまらない。まどろっこしい。
さらに謎解き。マップを横断して手掛かりが散らばっていることも多く、詰まりやすい。
謎自体はそれほど難しいものでもないが、エンカウントに妨害され非常に煩わしい。
それでもなおプレイを続けられたのは演出とストーリーに惹きつけられてやまなかったからだ。
音楽・グラフィック・テキストセンス、どれも見事で、説明的なチュートリアルまでもが巧みに演出されている。
テキストについては訳者の力によるところも大きいだろう。
クソみたいなプレイアビリティはそのために支払うべき代償である。哀しいことに。
・魔王育成計画
「魔王を復活させたはいいものの、儀式に失敗して子供になってしまった!」
という設定で、120週で魔王を育て勇者を迎え撃つ育成ゲーム。
ワクワクする設定だが、まず難点としてOPが長い。
そのうえOPは飛ばせない。決定キー連打でも時間がかかる。
設定はシンプルで理解しやすいので、もう少し短くまとめられたのではないかという気がする。
ゲーム自体は面白いので頑張って乗り越えよう。
ゲーム進行としては、一週間ごとに魔王の育成方針を決定し、ステータスを上昇させる。
教育メニューは「研究」によって増やすことができ、この「研究」の速度は書物の購入によって上げられる。
金銭は毎週税収という形で手に入り、これは魔王の「統率」を上げることで増える。
というのが基本ルーチンだ。
「とりあえず統率上げて税収上げればいいんじゃね?」と思ったが、たまに敵襲があるので魔王の戦闘能力もそれなりに高めておく必要がある。
「なるほど、そういう調整か」と感心していたが、中盤以降襲撃が少なくなり「やっぱり統率上げまくればいいじゃないか!」となった。
気づいたころにはちょっと遅かった感があるが、とりあえずクリアはできた(後述のバグのおかげかも知れない)。
システムは理解しやすく、UIデザインもワクワクさせられる。
が、本を購入するためにはわざわざマップを歩いて「どんな本が買えるか」「どんな効果があるか」「値段」を調べる必要があり、まずこれが非常にめんどくさい。
そのうえ所持金表示がメニューにないため、本棚を調べに行かなければ所持金が足りるかどうかわからない。
また、育成メニューを決定するには魔王に話し掛ける必要があるが、この際そこそこ長い同じ台詞が繰り返されることもあるためうんざりすることも。
同じように、マップの瞬間移動に魔方陣があるが、踏む度にいちいち会話が発生するので正直ふつうに歩いた方が早い。
台詞ウインドウの表示にいちいちフェード演出がある点もストレス要因になっている。
また、教育メニューには予約システムもあるが、一度誤操作で予約してしまい、キャンセルしたかったがよくわからず、仕方なく予約を消化することもあった。
UIは見た目のデザインこそ綺麗だが、以上のようなストレスとなる点が目立つ。
せっかく「コンフィグ」があるのだから台詞の瞬間表示設定など欲しかった。
他に特筆すべき点として、戦闘システムの独自性がある。
初期状態から魔王は複数行動が可能で、攻撃手段は魔法のみ。
パラメータは「HP」と「魔力(攻撃力)」のみで、MPの概念はない。
ただし強力な魔法には初期コストが必要になり、それぞれ魔法を使うことで「MARK」が増えていく。
炎魔法を使えば「炎」のマークが増え、水魔法(回復)を使えば「水」が増える。
強力な魔法はそうやって溜めたマークを消費することで発動できる。
また、同じマークを三つ揃えるとその三つを消費し必殺技のようなものが発動する。
ただ、厄介なのは、敵から「毒」などのマイナスマークをつけられることだ。
マークはいつでも消すこともできるが、今まで溜めたマークもまとめて消すことになる。
溜めたマークを残しておきたいが、毒は早く消したい。
というようなジレンマがたまにある。
で、毒がとにかく強い。敵から使われるにもこちらから使うにも毒が強い。
敵は毒を治さないためとりあえず毒にしてこちらは回復に専念すれば勝てる。
また、バグなのか敵を毒で倒すとそれ以降の敵もはじめから毒状態にかかっている、という状況になってしまいすべての敵に対し非常に楽に勝てた。
このあたりは今後のアップデートで修正や調整が必要かも知れない。
ストーリー・シナリオについては唐突なパロネタが目立ち、終始肌に合わないギャグが続くが、終盤の展開はよかった。
ただ、プレイヤーキャラが魔王なのか側近なのか混乱することも。
また、冒険者や勇者が魔王城に到着するまで何週間もかかったり、と設定的にやや引っかかる点もあった。
フリーゲームのレビュー。
・ねこみみにっつ
一分で終わる乙女ゲー(一分でクリアできるとは言ってない)。
要するに一分の制限時間でレベルを上げたりドーピングしたり仲間を増やしたり装備を揃えたりドーピングしたりして女子力(物理)を上げてお兄ちゃんを倒すゲーム。
初回プレイでは初見殺しに引っかかるため、まず失敗する。
ただ、失敗した場合でもエンディングが分岐するため、そこで周回が前提のゲームであるとわかる。
周回が前提といってもプレイ時間はたったの一分。
持ち込むのは前世の記憶のみ。
すごい勢いで敵を倒しレベルを上げ金を稼ぎお魚をむさぼる。
エンディングは5つに分岐するが、それぞれ条件が明確なのでリプレイしやすい。
最初は一分という制限時間もありパズルゲームのようなものかと思っていたが、実際にはレベル上げ&ドーピングゲー。
普段はレベル上げは好きではないが、制限時間があると可能なかぎり上げてやろうという効率厨の魂が揺さぶられる。
フルコンプに27分という結果となった。
シンプルで楽しい、手軽にプレイできるゲーム。
・テレポー塔プラス
2D版『Portal』。
というのはあまりに雑な紹介になるが、『Portal』と似たようなプレイ感を味わえるパズルアクションゲーム、というのがやはりわかりやすい。
実際、『Portal』のゲームデザインには影響を受けたと作者がコメントしている。
操作はシンプルで、横移動とジャンプ、テレポートのみ。
そのシステム自体は直感的に理解しやすいが、プレイヤーはすぐに気づくはずだ。
「脳が追いつかない」と。
テレポートボタンでキャラクターを左右の画面に移動させ、その移動先は半透明のキャラクターで示される。
そうやって、「右だと通れないが左だと通れる場所」「あるいはその逆」を見つけながら攻略していく。
ことになるわけだが、このテレポート移動に、プレイヤーの脳が追いつかない。
要するに右にいるのか左にいるのか混乱してしまう。
そして、ステージが進むごとに、やはり「ジャンプ中のテレポート」「自由落下中のテレポート」などアクション操作が要求されてくる。
これが慣れるまで難しく、そして楽しい。
「ジャンプした後テレポートしたらあの位置だな……」と事前に確認した上で操作を決定して、あとで「お、うまくいったな」と脳が追いつく感じ。
アクセルとブレーキを踏み間違えて事故を起こす人の気持ちが理解できるはずだ。
ステージが進むごとにギミックも増え、それらを駆使することも重要になってくる。
「掴むことのできる出っ張り」「大ジャンプが可能になる輪」「掴めない角」「触れると死ぬ棘」など。
また、上の画像にある黄色や青のエリアは隣の画面ではなく、その画面内で対応するもう一つのエリアにテレポートするギミックとなる。
パズル的にも頭を悩ますステージがあり、しかしわかってしまうと「なぜこんなことで悩んでいたんだ……」というのもまさに『Portal』である。
非の打ち所のない完成されたゲームの一つと言えるかも知れない。
・OFF
邦訳されたフランス製RPG。
『ゆめにっき』や『タオルケットはもう一度』の系統といえばフリーゲーマーにはわかりやすいか。
要するに演出重視の雰囲気ゲーだ。
散々言われているが、致命的な欠点はRPGツクール2003製であること。
とにかく戦闘がだるい。つまらない。まどろっこしい。
さらに謎解き。マップを横断して手掛かりが散らばっていることも多く、詰まりやすい。
謎自体はそれほど難しいものでもないが、エンカウントに妨害され非常に煩わしい。
それでもなおプレイを続けられたのは演出とストーリーに惹きつけられてやまなかったからだ。
音楽・グラフィック・テキストセンス、どれも見事で、説明的なチュートリアルまでもが巧みに演出されている。
テキストについては訳者の力によるところも大きいだろう。
クソみたいなプレイアビリティはそのために支払うべき代償である。哀しいことに。
・魔王育成計画
「魔王を復活させたはいいものの、儀式に失敗して子供になってしまった!」
という設定で、120週で魔王を育て勇者を迎え撃つ育成ゲーム。
ワクワクする設定だが、まず難点としてOPが長い。
そのうえOPは飛ばせない。決定キー連打でも時間がかかる。
設定はシンプルで理解しやすいので、もう少し短くまとめられたのではないかという気がする。
ゲーム自体は面白いので頑張って乗り越えよう。
ゲーム進行としては、一週間ごとに魔王の育成方針を決定し、ステータスを上昇させる。
教育メニューは「研究」によって増やすことができ、この「研究」の速度は書物の購入によって上げられる。
金銭は毎週税収という形で手に入り、これは魔王の「統率」を上げることで増える。
というのが基本ルーチンだ。
「とりあえず統率上げて税収上げればいいんじゃね?」と思ったが、たまに敵襲があるので魔王の戦闘能力もそれなりに高めておく必要がある。
「なるほど、そういう調整か」と感心していたが、中盤以降襲撃が少なくなり「やっぱり統率上げまくればいいじゃないか!」となった。
気づいたころにはちょっと遅かった感があるが、とりあえずクリアはできた(後述のバグのおかげかも知れない)。
システムは理解しやすく、UIデザインもワクワクさせられる。
が、本を購入するためにはわざわざマップを歩いて「どんな本が買えるか」「どんな効果があるか」「値段」を調べる必要があり、まずこれが非常にめんどくさい。
そのうえ所持金表示がメニューにないため、本棚を調べに行かなければ所持金が足りるかどうかわからない。
また、育成メニューを決定するには魔王に話し掛ける必要があるが、この際そこそこ長い同じ台詞が繰り返されることもあるためうんざりすることも。
同じように、マップの瞬間移動に魔方陣があるが、踏む度にいちいち会話が発生するので正直ふつうに歩いた方が早い。
台詞ウインドウの表示にいちいちフェード演出がある点もストレス要因になっている。
また、教育メニューには予約システムもあるが、一度誤操作で予約してしまい、キャンセルしたかったがよくわからず、仕方なく予約を消化することもあった。
UIは見た目のデザインこそ綺麗だが、以上のようなストレスとなる点が目立つ。
せっかく「コンフィグ」があるのだから台詞の瞬間表示設定など欲しかった。
他に特筆すべき点として、戦闘システムの独自性がある。
初期状態から魔王は複数行動が可能で、攻撃手段は魔法のみ。
パラメータは「HP」と「魔力(攻撃力)」のみで、MPの概念はない。
ただし強力な魔法には初期コストが必要になり、それぞれ魔法を使うことで「MARK」が増えていく。
炎魔法を使えば「炎」のマークが増え、水魔法(回復)を使えば「水」が増える。
強力な魔法はそうやって溜めたマークを消費することで発動できる。
また、同じマークを三つ揃えるとその三つを消費し必殺技のようなものが発動する。
ただ、厄介なのは、敵から「毒」などのマイナスマークをつけられることだ。
マークはいつでも消すこともできるが、今まで溜めたマークもまとめて消すことになる。
溜めたマークを残しておきたいが、毒は早く消したい。
というようなジレンマがたまにある。
で、毒がとにかく強い。敵から使われるにもこちらから使うにも毒が強い。
敵は毒を治さないためとりあえず毒にしてこちらは回復に専念すれば勝てる。
また、バグなのか敵を毒で倒すとそれ以降の敵もはじめから毒状態にかかっている、という状況になってしまいすべての敵に対し非常に楽に勝てた。
このあたりは今後のアップデートで修正や調整が必要かも知れない。
ストーリー・シナリオについては唐突なパロネタが目立ち、終始肌に合わないギャグが続くが、終盤の展開はよかった。
ただ、プレイヤーキャラが魔王なのか側近なのか混乱することも。
また、冒険者や勇者が魔王城に到着するまで何週間もかかったり、と設定的にやや引っかかる点もあった。
カリスが完成し解放された勢いでフリーゲームをやりまくったのでまとめてレビューします。
他にもやってた気がしますが、「クリアしたもの」「一通り遊び尽くしたもの」を中心に挙げます。
→続き
・奴隷商人物語
主人公「喫茶店の経営が不調だなあ」
↓
ぼく(あれ、これ奴隷商人物語だよな……)
↓
ヒロイン「そうだ、冒険者を拉致って奴隷にしましょう!」
と、初っ端からぶっ飛んでいるゲーム。
さらにはこんなやりとりが続く。
「奴隷は誰に捕まえさせるんだ?」
「奴隷にさせればよいのです」
「でも今は奴隷いないよな」
「いるじゃないですか」
「そういえば奥の部屋で一人監禁して調教してたな」
ただし、ぶっ飛んだストーリーが見られるのは最初だけで、それ以降は特にストーリー進展やイベントは発生せず、延々と作業を繰り返すだけになる。
ゆえに、倫理観のバグったような世界設定は強烈なフックとなっているが、すぐに飽きが来てしまう。
ような気がするが、なんだかんだと13時間はプレイしていた。
キャラクターにも特に台詞があるわけではなく、「人間を捕獲して売り捌いている」というような「悪いことをしてる」感覚はすぐに薄れていく。
とはいえ、気づけば200人以上の冒険者をお手軽に捕獲し調教し売り捌いていく主人公は冷静に考えると災害のようなものだ。
「冒険者だからいなくなっても家族の方からも怪しまれませんよ」という設定だったが、さすがにそろそろ怪しまれろよ!
「プレイヤーの楽しみのためだけにゲーム世界の住人にとって災害規模の被害をもたらす」
この感覚はTESシリーズなどのオープンワールドのゲームで味わうことができるものだ。
それがなんともいえず楽しい。
しかし実際には、奴隷という労働力を街に提供することで感謝すらされる!
ストーリーやイベントは特にないものの、狂った設定は提供され、想像力が刺激される。
ゲームとしては要するにポケモンのようなものだが、本作は「捕獲し戦わせさらに捕獲する」という邪悪なルーチンを設定として露骨に味付けしたものといえる。
ゲームの進行としては、ダンジョンに潜り、ランダムに配置される冒険者を見つけ、戦いで弱らせて「捕縛ロープ」を装備したキャラでトドメを刺すことで捕獲。
この「捕縛ロープ」は武器として最弱の性能になるため、序盤は敵のHP調整に苦労する。
ただ、ある程度進行しキャラの攻撃力が上がると全員に「捕縛ロープ」装備で殴り続ければ簡単に捕獲できるようになる。
そうなると作業ゲー極まれりだが、意外とこうなってからも楽しい。
奴隷にできる冒険者の数は100を超えるが、このゲームはダンジョンの数も多い。
冒険者を倒すことでたまに地図がドロップし、それで新しいダンジョンに行けるようになる。
よって、新しいダンジョンはまず「名前」から知ることになる。
この名前がいちいちかっこいいのでワクワク感がある。
すべてのダンジョンが一マップで構成され、敵も一種類で、大したギミックもないとわかっているにも関わらず。
フルコンプは果てしなく遠い道のりなので、大抵のプレイヤーは飽きたときが止め時になると思う。
エンディングのようなものはあるにはあるが、達成感はほぼなく、止め時としてはまったく機能していない。
・ナノスマイルズ
微生物モチーフの全方位シューティングゲーム。
「微生物モチーフ」という時点ですでに美味しい。
もう一つ特筆すべきシステムは、攻撃はすべて仲間任せである点。
「仲間に任せるといってもターゲッティングはプレイヤーがするのだからなにが違うの?」と最初こそ思ったが、仲間は攻撃を始めるとその場に留まる性質がある。
つまり、プレイヤーはターゲットを指定だけしてすぐに安全な場所に身を隠す、というのが基本戦術となる。
仲間はいくら死んでも再回収すればよい。
だが、プレイヤーは一発でも攻撃を受けると即死=ゲームオーバーだからだ。
それ以降は特別なシステムの追加はない。
仲間の数は増えるが、特別な仲間やボムなどはない。
ただ、難易度の上がるステージに対応するためプレイヤースキルをひたすら高めていくだけだ。
ステージにもいくつか種類があり、壁で仕切られ狭い通路や部屋で構成されたものから、隠れる場所のないただ広い空間まで。
いずれも安全を確保できる陣地を広げていくような楽しさがある。
・幻想列車アポトーシス
序盤から演出と音楽で一気に引き込まれるゲーム。
が、ゲームとしては単調で一瞬で飽きが来るのは否めない。
進行としては「車両を調べる」「座席に座る(戦闘)」「車両を移動する」の繰り返しで、キャラメイクを除けば特に選択が発生する状況はない。
戦闘もほとんど単なる演出のようなもので、特に難易度は高くなく、面白くもない。
演出やストーリー、テキストセンスに惹かれ、プレイ時間も短いからとサクッとクリアする感じだ。
とはいえ一時間程度で終わるので、「ひとときの楽しい時間を」と気軽にプレイするぶんには十分ありだ。
UIとしては基本画面に主人公のHP/MPの常時表示が欲しかった。
・次の俺はきっと頑張る
自分の死体を積み上げてクリアを目指すアクションゲーム。
「目標屍数」がそれぞれのステージに設定されておりパズル要素もある。
奇抜な設定ながらそのあたりは直感的に理解しやすい。
ただ、パズル要素をクリアする上で不可欠な「火葬」と「冷凍」については操作方法やUIなどやや難あり。
「冷凍」は死体を空中などその場に留めておくための操作で、「火葬」は死体を消去する操作。
また、「火葬」された死体は評価の対象にならないため、この操作で「目標屍数」に達するよう調整する。
たとえば高い場所へ登るためには、死体を積み上げて上の死体だけを「冷凍」し、それ以外は「火葬」する、というような操作が必要になる。
これが少しばかりめんどくさい。
「死体を積み上げさえすればクリア自体は容易」という設計は単純に楽しい。
・歪者行進曲
プレイ前は「ボス戦メインかー、やだなー」と思っていたが、蓋を開けてみるとボス戦のみに尖っており、これはこれでアリかと思わせられた。
雑魚戦は全カットで、レベル制もなく、デスペナルティもない。
装備を集め、戦術を練り、ボスに挑む。それだけだ。
基本的に短期決戦で決着がつくが、難易度はシビアに調整されており、トライ&エラーが基本となる。
ボス前の試行錯誤に特化したゲームといえる。
レベル制がなく、宝箱の回収状況も示され、敵の強さもHPやSpeedが明示されているため、パズルゲームのようなプレイ感がある。
普通のゲームであればボス戦に詰まると「レベルが足りないのか?」「難易度調整ミスってるんじゃ?」といった雑念が入るが、このゲームでは戦略レベルでの取捨選択はないため「勝てないのは自分の戦術が悪いからだ」と素直に納得できる。
テキストセンスやネーミングセンス、難解な設定群で独自の世界観をつくっているが、ストーリーの筋自体はシンプルであるため、プレイに差し障りのないフレーバーとして機能している。
ただ、それぞれの装備・アイテムが特に印象に残らないのはやや難点か?
(ネーミングが独特すぎて覚えられない、ユニークな特徴は薄くただの数値でしかない)
他に難点としてはまずメニューUIなどが整理されていない点。
レベル制はないが「経験値0」「次のLvまで」の表示が残っていたり、「メニュー」→「サブメニュー」→「チュートリアル・メモ一覧」などややこしい。
また、作者自身も認めているが難易度設定が初期状態だと不可能で、後に可能にはなるがその方法もわかりづらい。
「どうしても詰まった場合は下げる」という形になるだろうが、多くのプレイヤーにとってそれは屈辱的なことだろうし、あまりよい設計とは言い難い。
それから、僕自身はプレイして特に気にならなかったが「雑魚戦を全カットするならそもそも雑魚シンボル要らなくね?」という点。
このゲームでは通常のシンボルエンカウントのように敵シンボルが彷徨いているが、ぶつかっても戦闘にはならず、主人公が十分に強さによってダメージを受けるか、敵を吹き飛ばすかの二通りのアクションが起こるだけである。
また、その結果死んだとしてもデスペナルティはほぼ皆無で、すぐ近くで即座に復活する。
雑魚シンボルが多すぎて「強さ」が十分にないと通り抜けられないという場面もあるが、これもゾンビ特攻を繰り返すうちに数が減っていくのでやはり障害にはならない。
よって、「邪魔なだけでなんの意味があるの?」となる。
とはいえ、だからといって雑魚シンボルもすべてなくしてしまうというのも設定的に味気ない気もするし、ダンジョンを探索しているという感覚はさらに薄れそうだ。
「ダンジョン探索」と「ボス戦特化」がやや衝突を起こしているような気がする。
ただ、繰り返すがプレイ中は特に気にはならなかったので、そこまで大きな難点というわけでもない。
他にもやってた気がしますが、「クリアしたもの」「一通り遊び尽くしたもの」を中心に挙げます。
→続き
・奴隷商人物語
主人公「喫茶店の経営が不調だなあ」
↓
ぼく(あれ、これ奴隷商人物語だよな……)
↓
ヒロイン「そうだ、冒険者を拉致って奴隷にしましょう!」
と、初っ端からぶっ飛んでいるゲーム。
さらにはこんなやりとりが続く。
「奴隷は誰に捕まえさせるんだ?」
「奴隷にさせればよいのです」
「でも今は奴隷いないよな」
「いるじゃないですか」
「そういえば奥の部屋で一人監禁して調教してたな」
ただし、ぶっ飛んだストーリーが見られるのは最初だけで、それ以降は特にストーリー進展やイベントは発生せず、延々と作業を繰り返すだけになる。
ゆえに、倫理観のバグったような世界設定は強烈なフックとなっているが、すぐに飽きが来てしまう。
ような気がするが、なんだかんだと13時間はプレイしていた。
キャラクターにも特に台詞があるわけではなく、「人間を捕獲して売り捌いている」というような「悪いことをしてる」感覚はすぐに薄れていく。
とはいえ、気づけば200人以上の冒険者をお手軽に捕獲し調教し売り捌いていく主人公は冷静に考えると災害のようなものだ。
「冒険者だからいなくなっても家族の方からも怪しまれませんよ」という設定だったが、さすがにそろそろ怪しまれろよ!
「プレイヤーの楽しみのためだけにゲーム世界の住人にとって災害規模の被害をもたらす」
この感覚はTESシリーズなどのオープンワールドのゲームで味わうことができるものだ。
それがなんともいえず楽しい。
しかし実際には、奴隷という労働力を街に提供することで感謝すらされる!
ストーリーやイベントは特にないものの、狂った設定は提供され、想像力が刺激される。
ゲームとしては要するにポケモンのようなものだが、本作は「捕獲し戦わせさらに捕獲する」という邪悪なルーチンを設定として露骨に味付けしたものといえる。
ゲームの進行としては、ダンジョンに潜り、ランダムに配置される冒険者を見つけ、戦いで弱らせて「捕縛ロープ」を装備したキャラでトドメを刺すことで捕獲。
この「捕縛ロープ」は武器として最弱の性能になるため、序盤は敵のHP調整に苦労する。
ただ、ある程度進行しキャラの攻撃力が上がると全員に「捕縛ロープ」装備で殴り続ければ簡単に捕獲できるようになる。
そうなると作業ゲー極まれりだが、意外とこうなってからも楽しい。
奴隷にできる冒険者の数は100を超えるが、このゲームはダンジョンの数も多い。
冒険者を倒すことでたまに地図がドロップし、それで新しいダンジョンに行けるようになる。
よって、新しいダンジョンはまず「名前」から知ることになる。
この名前がいちいちかっこいいのでワクワク感がある。
すべてのダンジョンが一マップで構成され、敵も一種類で、大したギミックもないとわかっているにも関わらず。
フルコンプは果てしなく遠い道のりなので、大抵のプレイヤーは飽きたときが止め時になると思う。
エンディングのようなものはあるにはあるが、達成感はほぼなく、止め時としてはまったく機能していない。
・ナノスマイルズ
微生物モチーフの全方位シューティングゲーム。
「微生物モチーフ」という時点ですでに美味しい。
もう一つ特筆すべきシステムは、攻撃はすべて仲間任せである点。
「仲間に任せるといってもターゲッティングはプレイヤーがするのだからなにが違うの?」と最初こそ思ったが、仲間は攻撃を始めるとその場に留まる性質がある。
つまり、プレイヤーはターゲットを指定だけしてすぐに安全な場所に身を隠す、というのが基本戦術となる。
仲間はいくら死んでも再回収すればよい。
だが、プレイヤーは一発でも攻撃を受けると即死=ゲームオーバーだからだ。
それ以降は特別なシステムの追加はない。
仲間の数は増えるが、特別な仲間やボムなどはない。
ただ、難易度の上がるステージに対応するためプレイヤースキルをひたすら高めていくだけだ。
ステージにもいくつか種類があり、壁で仕切られ狭い通路や部屋で構成されたものから、隠れる場所のないただ広い空間まで。
いずれも安全を確保できる陣地を広げていくような楽しさがある。
・幻想列車アポトーシス
序盤から演出と音楽で一気に引き込まれるゲーム。
が、ゲームとしては単調で一瞬で飽きが来るのは否めない。
進行としては「車両を調べる」「座席に座る(戦闘)」「車両を移動する」の繰り返しで、キャラメイクを除けば特に選択が発生する状況はない。
戦闘もほとんど単なる演出のようなもので、特に難易度は高くなく、面白くもない。
演出やストーリー、テキストセンスに惹かれ、プレイ時間も短いからとサクッとクリアする感じだ。
とはいえ一時間程度で終わるので、「ひとときの楽しい時間を」と気軽にプレイするぶんには十分ありだ。
UIとしては基本画面に主人公のHP/MPの常時表示が欲しかった。
・次の俺はきっと頑張る
自分の死体を積み上げてクリアを目指すアクションゲーム。
「目標屍数」がそれぞれのステージに設定されておりパズル要素もある。
奇抜な設定ながらそのあたりは直感的に理解しやすい。
ただ、パズル要素をクリアする上で不可欠な「火葬」と「冷凍」については操作方法やUIなどやや難あり。
「冷凍」は死体を空中などその場に留めておくための操作で、「火葬」は死体を消去する操作。
また、「火葬」された死体は評価の対象にならないため、この操作で「目標屍数」に達するよう調整する。
たとえば高い場所へ登るためには、死体を積み上げて上の死体だけを「冷凍」し、それ以外は「火葬」する、というような操作が必要になる。
これが少しばかりめんどくさい。
「死体を積み上げさえすればクリア自体は容易」という設計は単純に楽しい。
・歪者行進曲
プレイ前は「ボス戦メインかー、やだなー」と思っていたが、蓋を開けてみるとボス戦のみに尖っており、これはこれでアリかと思わせられた。
雑魚戦は全カットで、レベル制もなく、デスペナルティもない。
装備を集め、戦術を練り、ボスに挑む。それだけだ。
基本的に短期決戦で決着がつくが、難易度はシビアに調整されており、トライ&エラーが基本となる。
ボス前の試行錯誤に特化したゲームといえる。
レベル制がなく、宝箱の回収状況も示され、敵の強さもHPやSpeedが明示されているため、パズルゲームのようなプレイ感がある。
普通のゲームであればボス戦に詰まると「レベルが足りないのか?」「難易度調整ミスってるんじゃ?」といった雑念が入るが、このゲームでは戦略レベルでの取捨選択はないため「勝てないのは自分の戦術が悪いからだ」と素直に納得できる。
テキストセンスやネーミングセンス、難解な設定群で独自の世界観をつくっているが、ストーリーの筋自体はシンプルであるため、プレイに差し障りのないフレーバーとして機能している。
ただ、それぞれの装備・アイテムが特に印象に残らないのはやや難点か?
(ネーミングが独特すぎて覚えられない、ユニークな特徴は薄くただの数値でしかない)
他に難点としてはまずメニューUIなどが整理されていない点。
レベル制はないが「経験値0」「次のLvまで」の表示が残っていたり、「メニュー」→「サブメニュー」→「チュートリアル・メモ一覧」などややこしい。
また、作者自身も認めているが難易度設定が初期状態だと不可能で、後に可能にはなるがその方法もわかりづらい。
「どうしても詰まった場合は下げる」という形になるだろうが、多くのプレイヤーにとってそれは屈辱的なことだろうし、あまりよい設計とは言い難い。
それから、僕自身はプレイして特に気にならなかったが「雑魚戦を全カットするならそもそも雑魚シンボル要らなくね?」という点。
このゲームでは通常のシンボルエンカウントのように敵シンボルが彷徨いているが、ぶつかっても戦闘にはならず、主人公が十分に強さによってダメージを受けるか、敵を吹き飛ばすかの二通りのアクションが起こるだけである。
また、その結果死んだとしてもデスペナルティはほぼ皆無で、すぐ近くで即座に復活する。
雑魚シンボルが多すぎて「強さ」が十分にないと通り抜けられないという場面もあるが、これもゾンビ特攻を繰り返すうちに数が減っていくのでやはり障害にはならない。
よって、「邪魔なだけでなんの意味があるの?」となる。
とはいえ、だからといって雑魚シンボルもすべてなくしてしまうというのも設定的に味気ない気もするし、ダンジョンを探索しているという感覚はさらに薄れそうだ。
「ダンジョン探索」と「ボス戦特化」がやや衝突を起こしているような気がする。
ただ、繰り返すがプレイ中は特に気にはならなかったので、そこまで大きな難点というわけでもない。
DMMで半額セールということで購入(1/30まで)。
内容としてはBFRPGというジャンルで、普通のRPGでの戦闘が「互いに快感を与えてイカせる」というBF(バトルファック)になっており、敗北するとエロシーンが見られる形になっている。
プレイ時間は5時間ほどと紹介されているが、僕は6時間ほど。
それなりに楽しめたが、正直なところ不満も多い。
・インターフェイス
まず、なによりインターフェイスがよくない。
メッセージの表示速度やキー設定など細かくコンフィグ設定が可能で、ユーザへの配慮は感じられるが、そのインターフェイスがツクールのコモンイベントを用いているため、項目が多岐にわたる場合キャンセルキーを連打する羽目になる。
最後の項目終了まで辿り着いて誤ってもう一度押してしまうとループしてしまう始末。
依頼確認も随時可能なようになっているのだが、キャンセルキー連打がいやで非常に億劫。
Window_Selectableを使おう。
また、スキル習得アイテムもコモンイベントではなくScen_Itemで処理してほしい。
つまり、もっとRGSSを使って欲しかった(´・ω・`)
インターフェイスまわりは特にRGSSをいじらないとどうにもならない部分があると思う。
また、キー対応がわかりにくい。
戦闘は目押しなのでどのキーがどの技に対応しているか把握できないと死活問題だ。
これも複数の設定を選べるようになってはいるが、僕の環境に合っているものはなかった。
PS型ゲームパット、というかPSのコントローラをそのまま使い、キー設定もデフォルトにしたのだが、やはり対応しない。
せめてキーを押したあとで「どのキーを押したか」が即座にフィードバックされる仕様であればわかりやすかった。
すべての対応を把握できたのは終盤になってからだ。
・マップ
マップが無駄に広すぎで、特徴に欠けるのでループを疑うレベル。
ダンジョンもそうだが、町もやたら広い。
(ダッシュが速いので町についてはそこまでストレスにはならないが)
行き止まりも多いが、宝箱があるわけでもないので探索の楽しみがない。
ラストダンジョンでようやく宝箱に出会えたが、作者Blogを見るかぎり他のダンジョンにも宝箱は設置されていたらしい。
ただ、一つのダンジョンに一つくらいの配置のようで、もっと置いてもよかったのでは。
また、ダンジョンごとに登場する敵(淫魔)を一新するなどそれぞれに特徴が欲しかった。
(下水道にはスライム系、幽霊船には幽霊系、など)
新しいダンジョンに入っても出てくる淫魔は少しずつ入れ替わっていくような形であるため「またこいつか」感が拭えない。
全体としてみると淫魔の種類は非常に豊富なのだが、体感として使い回しの印象が強くなってしまい、その豊富さを実感しにくくなっているように思う。
昼と夜で登場する敵の変化も欲しかった。
敵の強さは変化するようだが、せっかくなのでもう少しわかりやすい変化が欲しい。
たとえばヴァンパイアやゴーストは夜にしか出てこない、など。
(エンディング後にゴーストが「昼間に出歩いてはいけない決まりはない」などと言及されていたのには笑ったが)
マップ上のすべての敵を倒すとスロットに挑戦でき、お金やアイテムがたくさん手に入るが、
装備については仲間は主人公一人だけだし、性能差がよくわからないので嬉しさがない。
合成システムがあるのだから、古い装備を合成してより強い装備をつくれるというようなものが欲しかった。
お金もいまいち使いどころがない。
・絵
エロシーンの絵と立ち絵で表情が違いすぎる。
というか、エロシーンのときの表情が全部同じで目つきが異様に悪くなってしまう。
会話シーンでの立ち絵がアリスしか表示されないのはなぜ?
エンディング後の淫魔の町ではじめてアリス以外のキャラクターの立ち絵が表示されたのはよくわからない仕様だ。
しかし、この膨大な数にはただ感服するばかりである。
ビジュアルとしては座敷童ちゃんが好み。
・エロ
シチュエーションや台詞の言葉選びとしては好み。
パターンが非常に豊富なので、仮に負けても「新しいの見られたしまあいっか(´・ω・`)」という気分にはなる。
とはいえ、BF全体にいえることなのだが、「わざわざ見よう」という気にはちょっとならないのが困りもの。
「ゲームを先に進めたい」という気持ちと「エロを見るための条件」が対立してしまっているからだ。
クリア後は回想部屋が完備されているのであとでゆっくり見よう。
・その他
クリア後の「淫魔の町」が楽しかった。
これまでに戦ってきた淫魔と普通に会話ができるという町で、なにぶん数が多いので「こんなのいたなあ」と思い出しながら楽しむことができる。
このゲームで最も「探索する楽しみ」を感じることができたマップといって過言ではない。
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