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フリゲやりまくった
writer:饗庭淵 2015-03-23(Mon) レビュー・感想・紹介 
カリスが完成し解放された勢いでフリーゲームをやりまくったのでまとめてレビューします。
他にもやってた気がしますが、「クリアしたもの」「一通り遊び尽くしたもの」を中心に挙げます。
続き



奴隷商人物語

主人公「喫茶店の経営が不調だなあ」

ぼく(あれ、これ奴隷商人物語だよな……)

ヒロイン「そうだ、冒険者を拉致って奴隷にしましょう!」

と、初っ端からぶっ飛んでいるゲーム。
さらにはこんなやりとりが続く。
「奴隷は誰に捕まえさせるんだ?」
「奴隷にさせればよいのです」
「でも今は奴隷いないよな」
「いるじゃないですか」
「そういえば奥の部屋で一人監禁して調教してたな」

ただし、ぶっ飛んだストーリーが見られるのは最初だけで、それ以降は特にストーリー進展やイベントは発生せず、延々と作業を繰り返すだけになる。
ゆえに、倫理観のバグったような世界設定は強烈なフックとなっているが、すぐに飽きが来てしまう。
ような気がするが、なんだかんだと13時間はプレイしていた。

キャラクターにも特に台詞があるわけではなく、「人間を捕獲して売り捌いている」というような「悪いことをしてる」感覚はすぐに薄れていく。
とはいえ、気づけば200人以上の冒険者をお手軽に捕獲し調教し売り捌いていく主人公は冷静に考えると災害のようなものだ。
「冒険者だからいなくなっても家族の方からも怪しまれませんよ」という設定だったが、さすがにそろそろ怪しまれろよ!
「プレイヤーの楽しみのためだけにゲーム世界の住人にとって災害規模の被害をもたらす」
この感覚はTESシリーズなどのオープンワールドのゲームで味わうことができるものだ。
それがなんともいえず楽しい。
しかし実際には、奴隷という労働力を街に提供することで感謝すらされる!

ストーリーやイベントは特にないものの、狂った設定は提供され、想像力が刺激される。
ゲームとしては要するにポケモンのようなものだが、本作は「捕獲し戦わせさらに捕獲する」という邪悪なルーチンを設定として露骨に味付けしたものといえる。

 
ゲームの進行としては、ダンジョンに潜り、ランダムに配置される冒険者を見つけ、戦いで弱らせて「捕縛ロープ」を装備したキャラでトドメを刺すことで捕獲。
この「捕縛ロープ」は武器として最弱の性能になるため、序盤は敵のHP調整に苦労する。
ただ、ある程度進行しキャラの攻撃力が上がると全員に「捕縛ロープ」装備で殴り続ければ簡単に捕獲できるようになる。
そうなると作業ゲー極まれりだが、意外とこうなってからも楽しい。


奴隷にできる冒険者の数は100を超えるが、このゲームはダンジョンの数も多い。
冒険者を倒すことでたまに地図がドロップし、それで新しいダンジョンに行けるようになる。
よって、新しいダンジョンはまず「名前」から知ることになる。
この名前がいちいちかっこいいのでワクワク感がある。
すべてのダンジョンが一マップで構成され、敵も一種類で、大したギミックもないとわかっているにも関わらず。

フルコンプは果てしなく遠い道のりなので、大抵のプレイヤーは飽きたときが止め時になると思う。
エンディングのようなものはあるにはあるが、達成感はほぼなく、止め時としてはまったく機能していない。



ナノスマイルズ

微生物モチーフの全方位シューティングゲーム。
「微生物モチーフ」という時点ですでに美味しい。
もう一つ特筆すべきシステムは、攻撃はすべて仲間任せである点。
「仲間に任せるといってもターゲッティングはプレイヤーがするのだからなにが違うの?」と最初こそ思ったが、仲間は攻撃を始めるとその場に留まる性質がある。
つまり、プレイヤーはターゲットを指定だけしてすぐに安全な場所に身を隠す、というのが基本戦術となる。
仲間はいくら死んでも再回収すればよい。
だが、プレイヤーは一発でも攻撃を受けると即死=ゲームオーバーだからだ。

それ以降は特別なシステムの追加はない。
仲間の数は増えるが、特別な仲間やボムなどはない。
ただ、難易度の上がるステージに対応するためプレイヤースキルをひたすら高めていくだけだ。

ステージにもいくつか種類があり、壁で仕切られ狭い通路や部屋で構成されたものから、隠れる場所のないただ広い空間まで。
いずれも安全を確保できる陣地を広げていくような楽しさがある。



幻想列車アポトーシス

序盤から演出と音楽で一気に引き込まれるゲーム。
が、ゲームとしては単調で一瞬で飽きが来るのは否めない。
進行としては「車両を調べる」「座席に座る(戦闘)」「車両を移動する」の繰り返しで、キャラメイクを除けば特に選択が発生する状況はない。
戦闘もほとんど単なる演出のようなもので、特に難易度は高くなく、面白くもない。
演出やストーリー、テキストセンスに惹かれ、プレイ時間も短いからとサクッとクリアする感じだ。

とはいえ一時間程度で終わるので、「ひとときの楽しい時間を」と気軽にプレイするぶんには十分ありだ。
UIとしては基本画面に主人公のHP/MPの常時表示が欲しかった。


次の俺はきっと頑張る

自分の死体を積み上げてクリアを目指すアクションゲーム。
「目標屍数」がそれぞれのステージに設定されておりパズル要素もある。
奇抜な設定ながらそのあたりは直感的に理解しやすい。

ただ、パズル要素をクリアする上で不可欠な「火葬」と「冷凍」については操作方法やUIなどやや難あり。
「冷凍」は死体を空中などその場に留めておくための操作で、「火葬」は死体を消去する操作。
また、「火葬」された死体は評価の対象にならないため、この操作で「目標屍数」に達するよう調整する。
たとえば高い場所へ登るためには、死体を積み上げて上の死体だけを「冷凍」し、それ以外は「火葬」する、というような操作が必要になる。
これが少しばかりめんどくさい。

「死体を積み上げさえすればクリア自体は容易」という設計は単純に楽しい。



歪者行進曲

プレイ前は「ボス戦メインかー、やだなー」と思っていたが、蓋を開けてみるとボス戦のみに尖っており、これはこれでアリかと思わせられた。
雑魚戦は全カットで、レベル制もなく、デスペナルティもない。
装備を集め、戦術を練り、ボスに挑む。それだけだ。
基本的に短期決戦で決着がつくが、難易度はシビアに調整されており、トライ&エラーが基本となる。
ボス前の試行錯誤に特化したゲームといえる。


レベル制がなく、宝箱の回収状況も示され、敵の強さもHPやSpeedが明示されているため、パズルゲームのようなプレイ感がある。
普通のゲームであればボス戦に詰まると「レベルが足りないのか?」「難易度調整ミスってるんじゃ?」といった雑念が入るが、このゲームでは戦略レベルでの取捨選択はないため「勝てないのは自分の戦術が悪いからだ」と素直に納得できる。

テキストセンスやネーミングセンス、難解な設定群で独自の世界観をつくっているが、ストーリーの筋自体はシンプルであるため、プレイに差し障りのないフレーバーとして機能している。
ただ、それぞれの装備・アイテムが特に印象に残らないのはやや難点か?
(ネーミングが独特すぎて覚えられない、ユニークな特徴は薄くただの数値でしかない)


他に難点としてはまずメニューUIなどが整理されていない点。
レベル制はないが「経験値0」「次のLvまで」の表示が残っていたり、「メニュー」→「サブメニュー」→「チュートリアル・メモ一覧」などややこしい。
また、作者自身も認めているが難易度設定が初期状態だと不可能で、後に可能にはなるがその方法もわかりづらい。
「どうしても詰まった場合は下げる」という形になるだろうが、多くのプレイヤーにとってそれは屈辱的なことだろうし、あまりよい設計とは言い難い。

それから、僕自身はプレイして特に気にならなかったが「雑魚戦を全カットするならそもそも雑魚シンボル要らなくね?」という点。
このゲームでは通常のシンボルエンカウントのように敵シンボルが彷徨いているが、ぶつかっても戦闘にはならず、主人公が十分に強さによってダメージを受けるか、敵を吹き飛ばすかの二通りのアクションが起こるだけである。
また、その結果死んだとしてもデスペナルティはほぼ皆無で、すぐ近くで即座に復活する。
雑魚シンボルが多すぎて「強さ」が十分にないと通り抜けられないという場面もあるが、これもゾンビ特攻を繰り返すうちに数が減っていくのでやはり障害にはならない。
よって、「邪魔なだけでなんの意味があるの?」となる。

とはいえ、だからといって雑魚シンボルもすべてなくしてしまうというのも設定的に味気ない気もするし、ダンジョンを探索しているという感覚はさらに薄れそうだ。
「ダンジョン探索」と「ボス戦特化」がやや衝突を起こしているような気がする。
ただ、繰り返すがプレイ中は特に気にはならなかったので、そこまで大きな難点というわけでもない。

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プロフィール
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饗庭淵
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読みは「あえばふち」だよ!
SFが好きです。
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パイズリセックスRPG。

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リソース管理型脱出RPG。

カリスは影差す迷宮で
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特に変哲のない短編RPG。

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メタメタフィクションノベルゲーム。

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「主人公補正」によって哀れにも敗れていくすべての悪役に捧ぐ。

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