前回の続き。

クジャクは尾の長さにおいて正のフィードバック現象が起こっている。
これが真ならば人間にも同じことが言えるはずだ。
そして、ある程度は同じことが言えた。
クジャクの尾に対応して乳房や髪の長さなど考えてみたが……いや待て。
人類にとって最も重要なセックスアピールはそんなところではない。
顔だ。
仮に巨乳好きでも。
巨乳のブスと貧乳の美人どちらかを選べと言われれば高確率で後者を選ぶ。
女が男を選ぶ場合も同じだ。というよりこちらは顔くらいしか見るところがない。
肉体美もそこそこ重要だろうがまず顔だ。
（デブのイケメンというのがありうるのかよくわからないけれど）
これほど重要なセックスアピール。
ならば地上はイケメンに溢れかえっていいはずだ。
クジャクの尾が長くなったように。
さらには尾の長さと違いイケメンだからといってコストがかかるわけではない。
なぜ地上はイケメンで溢れかえらないのか？
顔の造形が遺伝しないということはあるまい。
価値観が時代によって変化したから？
ではなぜ変化してしまったのか。
クジャクの尾の長さと異なりパラメータが多様で複雑だから？
クジャクの尾の「長さ」は一次元だ。
長いか、短いかしかない。どちらか一方に傾けば正のフィードバックが起こる。
顔の場合はどうだ。
たとえば目の位置・形、鼻の位置・形、唇の位置・形、それぞれのパーツのバランス、骨格、表情筋、皮膚の質感、髪の生え際etc……。
適当に思いつくだけでもこれだけだ。
女の好みも多様にありうる。
イケメンの理想形は定まらない。
これが答えだ。
待て待て。
クジャクの尾だって「長さ」以外にも多様なパラメータがあるはずだ。
色や形、模様、きめの細かさetc……。
クジャクから言わせれば人間の顔と同じくらいポイントを列挙できるはずだ。
「長さ」は人類でいえばたとえば「鼻の高さ」に該当する。
人類も同様に物理的限界に達するまで鼻が高くなり続けてもよかったのでは？
おっと、ここで答え合わせだ。
女の好みも多様にありうる。男の好みも多様にありうる。
男の顔も多様にありうる。女の顔も多様にありうる。
人類の「顔」はクジャクの「尾」と異なり双方向だ。
なぜ地上はイケメンで溢れかえらないのか？
ブサイク同士がカップリングしてきたせいさ！