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キャラが勝手に動く
writer:饗庭淵 2010-07-15(Thu) 雑記 
漫画のネームを描いて、複数の友人間で読んでもらって評価してもらうというようなことをしたんだけど、これにはかなり学ぶものがあった。
僕自身が半ば気づきつつも積極的に無視していたような問題点をズバズバ指摘してくるので「おおう……」ってなった。
今さらいうまでもないことだが自分の作品を人に見てもらうのはかなり刺激になる。
修正の労力などお構いなしに斬り込んでくるからね。

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そのなかでわりと衝撃的だったのは「お前の作品は登場人物が作者の意図で動かされているように見える」というもの。
僕自身がよく他作品を「動かされてる」「ご都合主義」などと批判し、そういうのを特に嫌っていたわけだけど、自分自身の作品もそう見えるという事実にショックを受けた。
そして、作者が「キャラが勝手に動いた」と喜んでいても、端から見ると「これ作者の都合で動かされてるだけだよね」ってことは割とよくあることなんじゃないかと思った。そして後者が正しい。

たとえば、『バキ』なんかは「キャラが勝手に動く」という典型的な作品だが、この作品でも話の展開の都合上キャラが殺される※ことはよくある。
(※文字通りの意味ではなく「このキャラはこんなことしないだろ」みたいなことをさせられるの意)
オリバVSバキがその典型だったけど、あれも作者としてはキャラが勝手に動いたつもりだったんじゃないかなあ……と思うと感慨深い。
「作者ですら手に負えない」と評される勇次郎も、強すぎて戦えないし、引くときには引くし、主人公のバキには甘い。
僕としてもそういうのはできるだけ避けてきたつもりだったけど、冷静に思い返せばそういうのがないでもないよなあ、と反省。

僕も長編を書いていて(というよりこの現象は長編で起こる)「キャラが勝手に動いた」と感じるときはあるが、その行動を物語として採用するのは作者であり、採用するのは話の展開として都合がいいからである、というのは避けがたい事実。
たまには「話の展開としては非常に都合が悪い(めんどくさい)んだけど、このキャラならこう動くよなあ……」ということもあり、そちらを採用することもあるが、最終的には物語を収束させなければならないので、どこかで作者の都合で動かさざるを得ない。
もちろん、作者の操り糸が必ずしも悪いというわけではない。
カミュの『カリギュラ』はその意味で完成された悲劇だ。
優れた演劇や映画にはこのタイプの作品が多いと思う。
ただ、僕としては「キャラが自分の意志で動く」タイプの長編作品を書くにはどうすればいいかという悩みがある。

「キャラがぶれない」というのは重要なことだが、同時にキャラを人間として扱うなら彼は成長する。
『ワンピース』は「三つ子の魂百まで」すぎて、あまりにぶれなさすぎるきらいがある。
『HUNTER×HUNTER』はその点、キャラの成長まで描けているように思う(最近の展開はgdgdだが)。

キャラの性格付けもそうだ。
作者一人で創る世界であるため、多様な思想・性格のキャラといってもどうしても幅がある。
たとえば「親しいものの死に泣き喚くキャラ」などというものを僕はもう描くことはできないだろう。
実際にその現場に立ち会い、僕にはそれはひどく嘘っぽいものに思えたからだ。
ただ、当然ながら現実に泣き喚くものはいる。彼にとってはそれがリアルなのだろう。

また、どんな苛酷な状況に陥っても、人はある程度冷静で、あるいは自分では冷静だと思っている。
自分を客観視できる余裕がある、あるいはそう思っている。
つまり、『月姫』や『ひぐらし』(あるいは『エヴァ』?)であったような錯乱描写というものに僕はあまりリアリティを感じない。
(といいつつ、メリクリでは似たようなことしたけど)
というのが僕の持論ではあるけれど、それはあくまで僕自身の経験に基づくものに過ぎない。
だが、僕は僕の経験以上のものを、嘘くさく感じているものをリアルには描けない。
それが彼の作風、メタ的な多様性だと開き直るのもよいが。


メリクリはメタ作品だし、作者≒主人公というのをほとんど開き直って書いているけど、メタというのはある意味でいいわけでしかない。
そんな作品が一作目ってどうなの(´・ω・`)とは自分でも思ってる。
(未発表作品があるから処女作というわけではない)
「メリクリではあーだこーだ言ってるくせにてめえもできてねーじゃんww」みたいなプレッシャーを狙ってつくったとこはあるけど、わりと重くのし掛かる。
でも、あーだこーだ言うのはやめない!てめえができるようになります!(`・ω・´)
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饗庭淵
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男性
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読みは「あえばふち」だよ!
SFが好きです。
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「どこでもドア」はいかに世界に影響を及ぼし、人類になにをもたらすのか。

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