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あえばさんのブログです。(※ブログタイトルはよろぱさんからいただきました)
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『ターミナル・エクスペリメント』
writer:饗庭淵 2011-06-10(Fri) レビュー・感想・紹介 
ちょ、オチが予想の範囲内すぎてやばい。
設定説明の段階でネタバレ過ぎる。
とはいえ、SF的アイデアと現実ネタとの絡ませ方はやはり巧い。
ソウヤーはこのくらいのバランスがベストだと思う。
フレームシフト』での解説の言葉を借りれば「地に足のついたSF」。
現実とSFの比率が五分五分くらい。それでミステリー要素を混ぜる。
たとえば、「現実の司法で宇宙人を裁いたらどうなるの?」という『イリーガル・エイリアン』。
スタープレックス』みたいな想像力の飛躍を要求されるようなSFは向いてない感じ。あんま面白くなかったし、登場人物の思考回路が現代的すぎて萎えた。


閑話休題。
一番の突っ込みどころは勝手にホーキング殺すなww
むしろまだ生きてるホーキングに突っ込むべきなのか……?

それから、「別にそれ本題に必要ないよね?」みたいな横道逸れた話も多かった。
『フレームシフト』は「その話がどう主人公に関わってくるの?」みたいなばらまかれた伏線が収束していく楽しさはあったけど、この作品に関してはそういうのはあんまりない。
あくまでテーマと設定の説得力を補強するだけ
たとえば「猿の権利」。作者の思想を織り交ぜたかっただけなんじゃないのかな。
というか、魂波の発見云々そのものが本題のための導入でしかないという……。

節々に挿入される「ネットニュース・ダイジェスト」もなんかの伏線かと思いきや、ミステリー部分にはほとんど関わってこない。
まあ、これはこれ自体で面白い小ネタなのでよし。
魂波の発見でもまるで揺るがない中絶賛成派/反対派の表明は笑った。


面白かったか、というと、まあ面白かったけれど、ミステリーとしてはどうなのこれ。
犯人のネタバレ説明の部分も、そんなびっくりするようなものでもないし。
SFとしては、勇み足せずにデータをいっぱい採ってから発表しようぜとか対照実験の概念とか出てきて、世紀の新発見をしてしまってうひょーってなってる科学者の追体験をできる感じが面白い。
「これは絶対読むべき!」とオススメするほどではないけれど、お暇なときに如何? ってところかな。
(前者にあたるのが『イリーガル・エイリアン』。これは読むべき!)


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